柏木ひなた×モーニング娘。'25 小田さくら、憧れから始まった“推し”で“友達”なふたりの絆

私立恵比寿中学とモーニング娘。、同じアイドルというフィールドで活動しながらも、両者の歩みやスタイルは大きく異なっている。柏木ひなたと小田さくらは、そんなグループ同士に在籍しながらも、人知れず惹かれ合い、いつしか「ひなちゃん」「さくちゃん」と呼び合う“友達”になった。
ふたりの交流はお互いのSNS等で度々発信されていたものの、最初の出会いや仲を深めていった過程など、多くのことが明かされておらず、秘密のベールに包まれていた。そこでリアルサウンドでは、そんなふたりの“馴れ初め”に迫るべく対談を企画。お互いを意識したタイミングから現在に至るまでの交流、それぞれの“歌”に対する印象、ソロ活動/サブリーダーといった両者の立場の違いについてまで、たっぷりと語ってもらった。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
【オリジナル動画】柏木ひなた×モーニング娘。'25 小田さくら、お互いの好きなところ
大勢のアイドルに囲まれて交わした初めての会話

――お互いの存在を知ったのはいつ頃ですか?
小田さくら(以下、小田):14歳の時です。たまたま知り合いの娘さんが私立恵比寿中学(以下、えびちゅう)の元メンバーで、その子を見ようと検索したときに見つけたのがひなちゃんでした。「なんかすごい子がいるぞ」と思って(笑)。そこからずっと好きだったんです。
柏木ひなた(以下、柏木):えびちゅうにはモーニング娘。さんを好きなメンバーがいたので、さくちゃんが加入した最初の楽曲「Help me!!」(2013年1月リリース)のMVを観ながら、メンバー全員で真似して踊ってみたことがあったんです。そのときに「ヤバい子が入ってきた」と思いました。
小田:私がひなちゃんを好きになったときには、ひなちゃんも私のことを知ってくれてたんだね。芸歴的にも先輩ですし、届かない人のようなイメージがあったので、「Help me!!」を踊ってくれていたなんて初めて知りました。
柏木:リハーサルのときに遊んでた(笑)。
――そこから初めて対面したのはいつだったんですか?
小田:『2015 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)です。当時、私が好きなのは知ってた?
柏木:私のことを好きだとは知らなかったけど、「えびちゅうを好きでいてくれている」という話は届いてた。
小田:そっか。私もブログにも書いていたし、なんとなく届いているかなとは思ってた。でもひなちゃんは私のことを全く知らないと思ってて、話しかけようとしてたんですよ。だからずっと見てたの。いつ話しかけにいけるかなって(笑)。
――チャンスを窺ってたんですね。
柏木:やめてよー(笑)!
小田:ありとあらゆるアイドルさんが同じ楽屋だったんです、大部屋で。
柏木:どこに誰がいるのかあんまり分かってなかった。
小田:会いに行くためには、いろんなアイドルさんの間をすり抜けていかなきゃいけないから、チャンスを窺ってたときに、私があまりにも見てたのか、目が合って。
柏木:たぶんこっちを知ってくれているんだろうし、それこそ私も「Help me!!」の頃からさくちゃんを見ていたから、「喋れるかな?」と思っていました。だから、私は話しかけようとしてくれたのがすごく嬉しかった。
小田:本当? 後輩だし、「私から挨拶しなきゃ」と思っていたらすごくニコニコしながら近づいてきて、「応援してます」「大好きです」みたいに言ってくれて。「私も大好きです」っていうのが初めての会話です。
――じゃあ小田さんとしては「私のことを知ってるの?」っていうところから。
小田:はい、そうです。「嘘だろ」と思いました。
――その場でいろいろとお喋りができたんですか?
柏木:あの時はあんまり喋れなかったよね。
小田:楽屋にはいろんなアイドルさんたちがいたから、「早くどかなきゃ!」っていう感じだった。だから一旦解散して、その後に連絡先を交換しました。同じ事務所以外の人と連絡先を交換したのは、ひなちゃんが初めてでした。

――それ以降は、どのように仲を深めていったんですか?
小田:そこまで頻繁に会っていたわけじゃなくって。
柏木:そうなんです。でも、さくちゃんの携帯から私の連絡先が一度消えちゃったんだよね。
小田:そうなんです。だけど、「これで繋がれなくなったら縁のない人だったと考えよう」と思って。そこから共演もなかったから、2年間くらい空白の期間があるんだよね。
柏木:再会したのは、2018年の『ロッキン』(『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018』)かな?
小田:そうだと思う。モーニング娘。が初めて出演した年。
柏木:えびちゅうも同じ日に出演していて。私たちの出番が終わってから来てくれたんだっけ?
小田:えびちゅうさんの出番が終わって、ステージから降りてきたときに「連絡先が消えちゃって、後で絶対交換しにいくから!」って伝えました。
柏木:そうそう! でも、その時点ではまだ連絡先がわからないから、どこにいるか伝えられなくて(笑)。私がごはんを食べているときに見つけてくれました。探してうろうろしてたの?
小田:そう(笑)。
柏木:次に消えたときに困るから「電話番号教えてほしい」と言ってくれて、電話番号もちゃんと交換して。
お互いの“歌”に対する印象「初めて私のプライドを傷つけた人」

――最初にふたりで遊んだときはどこへ行きましたか?
柏木:韓国料理だっけ?
小田:小籠包じゃなかった?
柏木:そうだっけ。でも、その年の11月ぐらいだった。ポニーテールで白い服を着てた。
小田:服は覚えてないよ(笑)。
柏木:絶対着てたって! Vネックで――。
小田:あ、白い服着てた! 水族館に行って、ごはんを食べて。
――すぐに打ち解けられたんですか?
柏木:普通に喋ってたよね。
小田:好きな人じゃないですか。だから一緒にいるだけで満足というか。会話をしたい云々ではなくて、目に入ってるだけで嬉しかったです。カラオケにも行ったよね?
柏木:行った! その日だったかは覚えてないけど、「邪魔しないで Here We Go!」をアカペラでワンコーラスだけ歌ってくれたよね。
小田:それは覚えてる! でも、全部が嬉しいので。水族館に一緒にいることも、ましてやカラオケなんて、ひなちゃんの歌が好きなのでその子の生歌をお金を払わないで聴けて(笑)。すっごく嬉しかった。
――今もその“推し”みたいな感覚は続いているんですか?
小田:あります。だって私の待ち受けにいるもん。
柏木:え?
小田:私、待ち受けにいろいろな“推し”をいっぱい並べているんです。だから、待ち受けで見てる人なんだよね、私からすると。
――毎日見てる。
小田:はい、そうです(笑)。
柏木:あら、そう? なんか恥ずかしい(笑)。
――逆に柏木さんにとって小田さんはどんな存在なんですか?
柏木:やっぱり“推し”でもあるけど、ライブとかを観させていただくと「すごいところにいる友達だな」って思うかな。仕事よりもプライベートで接することのほうが多いですし。私はアイドルを卒業してしまっているので、長い期間、今も現役でやっているというところは尊敬しているし……全部ですね。“推し”であり、“友達”みたいな感覚です。

――おふたりが共通して大事にしていることに“歌”があると思います。お互いの歌については、どのような印象を持っていますか?
小田:めっちゃ上手いですよね。私が初めてひなちゃんを見た時期は、自分の歌やパフォーマンスに過剰な自信があったんです。だから、同じアイドルで同い年でこんな子がいるということが、私にとっては大きなショックでした。初めて私のプライドを傷つけた人なんです(笑)。「この子と戦え」って言われても今は無理だ……みたいな。今のひなちゃんと比べると子供の声ではあったと思うけど、あの年齢であの声で歌える子はほかにいなかった。ショックでしたね。
柏木:うそ(笑)!
小田:すごくショックだったの! 「こんな人がいるんだ」と思って。
柏木:いやいや、逆でしょ! こっちだって、「こんな人いるんだ」って本当に思ったよ。「Help me!!」のソロパートを聴いたとき、ハロー!プロジェクトっぽさのようなものをあまり感じなくて。アイドルっぽくないなって思ったんです。それはもちろんいい意味で。今はたくさんの努力があって、上手いとかの次元じゃないところにまで行っちゃってるけど(笑)。やっぱり自分にないものを持ってるから、“声”が羨ましかったです。
小田:私もひなちゃんが羨ましかったよ。
――お互いに“自分にない歌声”という感覚があったんですね。
小田:そうなのかも。私は太くて強い声で歌いたかったから、憧れたよね。
柏木:私は、この太さを捨ててでも、ハリとかツヤのあるあの声がほしかった。
小田:ないものねだりだね(笑)。
柏木:本当そうだね(笑)。
小田:嬉しい。
――おふたりのあいだで、“アイドル”というものの捉え方に違いはありますか?
小田:違わないんじゃないかな? 「かわいくいなきゃいけない」とか、あんまりそういうところにはこだわらないんですよね。それよりも「歌もダンスもできてかっこいい」という方が、自分のなかではアイドルなんですよ。
柏木:私たちって会社も違うしグループも全然違うけど、歌とかダンス、楽曲に懸ける思いが強すぎて。いろいろなタイプのアイドルがいるなかで、心意気は同じジャンルにいたと思う。
小田:「歌上手いね」とかより、「曲がいい」って言われた方が嬉しくて。そういうところも似てますね。大事にしてるものとか、磨きたいと思っているものが似てる。だから、本当の意味で仲良くなれたのかなって思ってます。
――その“磨くところ”っていうのは、やはりパフォーマンスですか?
小田:パフォーマンスとか、人間性とか。そっちの方が大事かなと思ってます。表面よりも中身みたいな。
柏木:そうだね、中身だね。
