玉置浩二、小田和正、中島みゆき、稲葉浩志……衰え知らず、“本当に歌が上手い”キャリアアーティストの実力
2月20日に放送された『その道のプロが選ぶ本当のNo.1 プロフェッショナルランキング』(TBS系)にて「KING OF SING」と題して「声楽家が選んだ!本当に歌が上手い歌手ランキング”が発表。40代以上部門で10位以内にランクインした中から、「衰え知らず」、「年齢を感じさせない」と評された歌手をピックアップ。代表曲とともに紹介する。
「息をコントロールしながら語るように歌う技術を盛り込み、呼吸で感情を伝えることができる」と評されたのは、玉置浩二。息の成分を多く含んだ歌唱法は、安全地帯の「ワインレッドの心」が今も多くモノマネされていることからも、玉置の最大の武器であることは実証済みだろう。また、玉置と言えば「田園」が有名だが、早口のメロディをアップテンポのリズムに乗せて一気に歌いきることができるのも、息の分量を巧みにコントロールする技術があればこそだろう。
もう一つの武器である表現力は、66歳になった現在も深みを増し続けており、1996年の「メロディー」、2013年の「サーチライト」と、年月を経るに従って表現力もメッセージも研ぎ澄まされていく。そんな彼のボーカルを最大限に堪能できるのが、ライブパフォーマンス『Chocolate cosmos ~恋の思い出、切ない恋心』(2020年)だ。同ライブでのパフォーマンスはいずれの曲も素晴らしいが、中でもオーケストレーションされたバックのサウンドに負けず劣らずの声量で聴かせる「終わらない夏」、ゴスペル調のコーラスと美しいハーモニーやソウルフルな節回しも聴かせる「泣きたいよ」の表現力は圧倒的だ。
1970年にオフコースのボーカルとしてデビューしてから、今年4月に55周年を迎える小田和正は、「高音まで透き通った、奇跡ともいえるハイトーンの歌声」との評価。小田の代名詞である透き通ったハイトーンはオフコース時代からお馴染み。爽やかなコーラスが秀逸な「Yes-No」や、しっとりと歌い始める冒頭のボーカルがリスナーを惹きつける「さよなら」など、当時はバンド形態ということもあって、小田のハイトーンボイスや美しくも複雑なハーモニーもまたサウンドの一部として構築されていた印象。そんな彼が日本中を魅了するきっかけとなったのは、やはり「ラブ・ストーリーは突然に」だろう。小田の歌声は、ハイトーンながら力強さや繊細な表現力を感じさせる。
また「たしかなこと」は、ゆったりと流れるサウンドの中を、自由自在に泳ぐようにたゆたう歌声が印象的。小田の透明感あふれる歌声をじっくり堪能することができる曲の一つだろう。だが、決して彼の魅力はハイトーンばかりではなく、「この道を」では基本的に中低音を中心にサビで登場する高音など、幅広いレンジで展開される。77歳になった現在でも、息切れ一つすることなくライブ会場を走り回る小田。ハイトーンしかり、繊細な表現力と説得力で聴く者の胸を揺さぶってくれる。























