乃木坂46、日本美術とのコラボで魅せる展覧会 齋藤飛鳥、遠藤さくら、久保史緒里&山下美月らのパフォーマンスも

乃木坂46、日本美術とのコラボで魅せる展覧会

 乃木坂46の映像と日本美術の古典を融合した展覧会『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』が、9月4日から東京国立博物館 表慶館で開催される。

 本展は、春夏秋冬の花が表現された7点の日本美術と乃木坂46を重ね合わせて紹介する実験的な展覧会。メンバー一人ひとりを花に見立てた映像インスタレーションによって、日本の人々が花に託した造形の本質が彼女たちのパフォーマンスで示されていく。

 噛み砕いて説明すると「乃木坂46×日本美術」。そこに映像作家や季節、花など様々な要素が加わり、『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』という展覧会を形成している。筆者が観て感じたのは視点を変えることで様々な楽しみ方が出来る展覧会だということだ。

 ここで注目したいのは、メンバーそれぞれのパフォーマンスだ。この展覧会の顔とも言える齋藤飛鳥は、吹き抜けのエントランスを入ってすぐの展示室でティーカップを手にこちらへと手招きしてくる。スリットカーテン越しに映る展示室の奥には齋藤が舞踏をする姿が。よく見るとそこが先ほど通ってきたエントランスだということが分かる。そのコンテンポラリーダンスから想起するのは、23rdシングル曲「Sing Out!」の間奏で可憐に歌い踊る齋藤の姿。ただ、楽曲パフォーマンスと比較すると、より自由にステップを踏む、笑顔が溢れている齋藤が印象的だ。それはきっと「花下遊楽図屏風/狩野長信筆」に描かれた「桜」、映像テーマにある「春」をイメージしての表現であろう。

 齋藤のパフォーマンス映像が投影された大型壁面の裏に展示されているのは、遠藤さくらと「焔/上村松園筆」の組み合わせ。長さ7メートル超の廊下状に相対するように、「焔」の掛け軸と遠藤のパフォーマンスが展示されている。遠藤も齋藤と同じ「春」の季節をテーマとしているが、そのパフォーマンスは妖艶とも言うべき息を呑む映像だ。目を見張るのは遠藤の力強い眼光。彼女が乃木坂46としてセンターを務めた24thシングル曲「夜明けまで強がらなくてもいい」や27thシングル曲「ごめんねFingers crossed」は、乃木坂46の清楚といったパブリックイメージから一転、クールな女性像を提示した意欲的な楽曲だった。同時に楽曲パフォーマンスに入ると大人びた表情を見せる遠藤。この「焔」との融合はクールとはまた違った、言ってしまえば恐怖にも近い感覚の遠藤のパフォーマンスが楽しめる。裸足で舞踏する遠藤の一本一本の髪の毛まで美しく描写される映像美。改めて、遠藤の表現力の高さを痛感するとともに、時折、はにかむ彼女の笑顔に安堵させられた。遠藤の映像越しに齋藤がそっと見守っているように見えるのも、2人の関係性を表しているように思えた。

 久保史緒里と山下美月のパフォーマンスは、2枚の大型スクリーンによって上映される。中央に「夏秋草図屛風/酒井抱一筆」「風神雷神図屏風/尾形光琳筆」が展示され、向かって右側のスクリーンには久保によって「雨」が、左側のスクリーンには山下によって「風」がパフォーマンスされる。「くぼした」として3期生曲のダブルセンター、さらにはポジションもシンメに据えられることの多かった2人。やがて山下がセンターを務めた26thシングル曲「僕は僕を好きになる」では、久保が両翼を担う一人として山下を支えるポジションとなった。そんな2人を別々の映像、さらにはテーマも違っているのだが、2人で1つといったようなシンメトリーの世界観が描き出される。一瞬、一瞬を捉えた2人の感情豊かな表情は必見だ。ちなみに、今回の展覧会がスタートする9月4日で3期生は加入から5年目を迎えることとなる。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる