乃木坂46 久保史緒里、十代から二十歳への成長の日々 アイドル・役者の幅を広げた様々な“出会い”を辿る
乃木坂46の久保史緒里が、本日7月14日に20歳の誕生日を迎えた。
2020年の春に高校を卒業し、大好きな乃木坂46の活動に本腰を入れて臨んだ19歳。乃木坂46メンバーとしての躍進だけでなく、グループを飛び出し、ひとりの“久保史緒里”としても一歩、また一歩と歩みを進めた日々だった。久保のこの1年を表すならば、筆者は「出会い」というイメージが浮かぶ。
2021年1月にリリースされた『僕は僕を好きになる』は、山下美月をセンターに据えた3期生が中心のシングル。そのフロントメンバーとして梅澤美波とともに一翼を担うのが久保であった。白石麻衣の卒業後、初めてのシングルセンターという重圧を背負う山下を支えながら、この期間に久保が手に入れたのは「自信」だ。久保は自分を顧みず、他者のために頑張りすぎた結果、心と身体がバラバラになり活動を休止したことがあった。当時、久保を心配した北野日奈子や新内眞衣が声をかけたのは「自分を大切にしてほしい」という思いから。フロント3人での配信となった『乃木坂46・久保史緒里の乃木坂上り坂』(LINE LIVE)で梅澤は久保に「自信ついたと思うよ」とメッセージを送っている。「ネガティブな発言はしない」「涙は見せない」と決心し変わっていく久保の姿は、自分自身と向き合うことで新たな久保史緒里と出会うことができた、まさに「僕は僕を好きになる」のメッセージを体現する一人である。
「『自分が傷つきたくない』という理由で他人の意見に耳をふさいでしまう部分もあったけど、自分のことを思ってくれる方たちがこんなにたくさんいる、と知ることにつながった貴重な体験でした」(『日経エンタテインメント! 2021年2月号』より)と語るのは、2020年7月に放送された『音楽の日2020』(TBS系)でのこと。番組内の企画「ファンが選んだディズニーソングTOP10 カバーリレー」に出演予定だった生田絵梨花が体調不良となり、急遽その代役を任されたのだ。久保がその話を聞いたのは出演当日。生田が事前にリハーサルで歌っていた映像を見ながら、リズムや間の取り方、音の伸ばし方などを参考に練習し、生田が着る予定だった赤のドレスをそのまま借りてステージに臨んだという。久保が中心メンバーとして歌唱参加した「アンダー・ザ・シー」、「パート・オブ・ユア・ワールド」のパフォーマンスは、放送を観ていた乃木坂46のファン以外からも大きな反響を呼ぶ結果となった。同年12月オンエアの『CDTVライブ!ライブ!クリスマススペシャル』(TBS系)では、生田とのデュエットとして映画『アナと雪の女王』より「生まれてはじめて」を歌唱。届けられた2人の美しいハーモニーはもちろんのこと、突如舞い降りてきたチャンスに120%の結果で応え、プラスの力へと変えていく柔軟性が久保には備わっている。
乃木坂46の中でもトップクラスと称される久保の歌声は、これまでも『アンダーライブ全国ツアー2018』の「私のために 誰かのために」や『8th YEAR BIRTHDAY LIVE』の「雲になればいい」など、多くの場面でファンの心を掴んできた。今年5月に開催された『乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~3期生ライブ~』の中で久保が一段と輝いていたのが「きっかけ」。伸びやかな歌唱に乗せた落ちサビ前の〈自分のこと 自分で決められず/背中を押すもの 欲しいんだ/きっかけ〉という歌詞、久保が流す涙も含めて「きっかけ」はコンサートの一つのハイライトにあった。
以前から絶賛されているMCも回を増すごとに堂々としたと立ち振る舞いに。特に『9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~前夜祭~』では、乃木坂46への愛ある解説を交えながら林瑠奈に“天丼”を振る見事な回しでトークをより一層盛り上げた。2年半続く『乃木坂上り坂』だけでなく、今年5月には定額制動画サービス「のぎ動画」内で『久保チャンネル』がスタート。『さ~ゆ~Ready? ~さゆりんご軍団ライブ/松村沙友理 卒業コンサート~』では、松村沙友理から「さゆりんご劇団」のナレーションを任せられるなど、グループへの愛情だけでなくその喋りにも注目が向いている。