KIRINJI、バンド形態終了後の新体制で生み出す新たな音像 Awichも駆けつけた“再会”ワンマンを観て

KIRINJI、新体制初ライブレポ

 昨年12月のライブをもってバンド体制が終了したKIRINJI。以降、「再会」「爆ぜる心臓 feat.Awich」と2曲の新曲が発表されている。実質的な堀込高樹のソロプロジェクトとなってから初めてのライブが、8月13日と8月14日の2日間、Zepp Hanedaにて開催された。

KIRINJI

 新体制となって最初の楽曲「再会」はコロナ禍をテーマにした、これまでのKIRINJIらしさを継承したポップな印象だったが、ファンが驚いたのは、7月にリリースされた「爆ぜる心臓 feat.Awich」である。フィーメルラップを取り入れたアグレッシブな楽曲は、これまでに聴いたことのないエッジの効いたサウンドが特徴だ。KIRINJIは今後、どのような音楽性に進化していくのだろうか。ライブのサポートメンバーは、これまでとはがらりと変わった人選で構成され、サウンド面での変化にも注目である。本記事では、8月14日に行われた2部公演のうち夜公演をレポートしていく。

堀込高樹

 ライブは、8月27日公開予定の映画『鳩の撃退法』に使用されたインスト曲から開始された。まずは、ギター、ベース、ドラム、キーボード、サックス、パーカッションと、背後を固める6人のメンバーでの演奏が始まり、最後に堀込が登場する演出に、観客からは自然と拍手が起こる。7人が作り出す音の厚みに圧倒されるオープニングだ。2曲目「雑務」を演奏後、「今日のライブは、換気なども考えると約1時間程度になってしまう」と堀込から説明がある。現状を考えれば致し方ないが、時間の制限によって観客側の集中力も増し、1曲1曲を大切に聴く緊張感が生まれたように思う。

 「時間がない」「新緑の巨人」「恋の気配 (2021 Version)」と続くにつれ、次第にこのメンバーならではの変化が見えてくる。どのプレイヤーもフレッシュな演奏を披露しているのだが、わけても、「新緑の巨人」におけるKASHIFのギターソロは実に心地よく、弾き終えた瞬間に観客から大きな拍手が起こったのが印象に残った。ライブでこそ映えるエネルギッシュな演奏、ここぞという見せ場で観客をぐっと惹きつける恍惚のギターソロに、新しいメンバーでプレイされるKIRINJI楽曲のよさを再発見したような感覚だ。

 配信も兼ねたライブとあってか、少々緊張ぎみのメンバー紹介を経て演奏されたのは、「善人の反省」、そしてセカンドアルバムに収録された「ダンボールの宮殿」(1999年)。ファンには思い出深い楽曲だが、こうして新しいメンバー、新体制となったKIRINJIで演奏されることで、2021年の音楽としてよみがえってくる。古くからのファンに対してのプレゼントのような楽曲のチョイスに、会場の雰囲気もより高まっていくばかりだ。



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