flumpool、新たな物語の幕開けとなった『10th Tour「Real」』 想いの共有で築き上げた感動的なステージに

flumpool『10th Tour「Real」』で新たな幕開け

 全国31都市36公演に及んだflumpoolの全国ツアー『flumpool 10th Tour「Real」』が、7月24日・25日に東京 J:COMホール八王子でファイナルを迎えた。7月1日に新体制での活動を発表して以降、初のライブという点でも注目されていたが、アルバム『Real』からの楽曲や最新シングル曲「ディスタンス」、さらには「東京哀歌」まで披露。新たな体制でステージに立ったflumpoolの25日公演をレポートする。

これが今のリアル。100年に一度のライブに

 このツアーを開催するにあたって、公式ホームページには「こんな今だからこそできること、こんな今しか共有できない想いがたくさんあるなら、僕らはそれをこのRealツアーで伝えたいと思いました。このツアーは山村の発声障害によっての活動休止を経て、『100点ではなくとも、今の僕らのリアルをちゃんとバンドで伝え合う』そう誓った『Real』ツアーです。(中略)裸一貫、今しか見れない最高のライブを創りあげようと燃えています」(※1)とのコメントを掲載。彼らを取り巻く様々な事柄と不安に対して、ライブという形で答えを出し、新たな一歩を踏み出すステージとなった。

 ライブは、アルバム『Real』のオープニングを飾るナンバー「NEW DAY DREAMER」で幕を開けた。シンプルだが力強く熱さをたぎらせたサウンドに乗せて、山村隆太(Vo)の真っすぐなボーカルが〈さぁ 一度きりの未来へ〉と、新たな旅の始まりを高らかに宣言した。

山村隆太

 続く「reboot~あきらめない詩~」では、〈一寸先が闇であっても〉という歌詞は奇しくもコロナ禍における人々の心情とも重なり、爽快で力強く前向きなサビは、闇に差し込める一筋の希望の光に感じた。〈いつだって 何度だって 僕は変われる〉という言葉を噛みしめるように歌う山村。〈痛み 憂い 全部ひっくるめて/今を生きて 笑い合いたいよ〉という、今の時代を代弁するようなフレーズに涙を拭うファンもいた。

 「会いたかったぜ八王子。ごめんね、何度も延期になっちゃって。来てくれただけで嬉しいです」。客席を見渡しながら、山村は安心したような表情を見せた。

尼川元気

 前半は、夏らしい楽曲とアルバム『Real』収楽曲を中心に展開された。「じゃあ踊れる曲を」と、「夏Dive」では楽しい振り付けを一緒に楽しみ、爽やかな夏ソング「夏よ止めないで ~You’re Romantic~」で会場を熱くした。

 シリアスなムードから、サビでは一転して大切な人を守りたいという熱いメッセージを叩きつけた「フリーズ」。尼川元気(Ba)がシンセを弾き、グルーヴィなサウンドを聴かせた「ディスカス」や、少しダークなムードで始まり、ファルセットを使った広がるようなサビの「不透明人間」。flumpoolのここに至るまでの苦難と、それを乗り越えてきた強さが重なり、胸の奥で熱いものがたぎるような気がした。

 また、昔の友達への気持ちを歌ったという「虹の傘」は、「傘(=大切なもの)を持った人たちが集まった様子を、上から見るとあじさいに見えた」と歌詞を解説。その言葉を胸に観客は、優しく温かい気持ちが広がる楽曲に静かに耳を傾けた。

 MCでは、阪井一生(Gt)のボケに山村がツッコむという漫才のようなやりとりや、山村が『めざまし8』(フジテレビ系)でコメンテーターを務めていることについて、阪井と尼川がイジり倒す。何度とない苦難も、互いが互いを信じ合い、守ったり助けられたりしながら乗り越えてきた。それを何事もなかったかのように、今はただ笑い合っている。何年経っても変わらない、幼稚園からの親友同士の関係性が実に羨ましい。

 また、「喜びだけじゃない、歯がゆさ、怒り、悔しさ。すべてを共有することに意味がある。それが今のリアル。100年に一度のライブにしたい!」と語った山村。つまりは、一生に一度ということ。単に一期一会という意味ではない、flumpoolというバンドだからこその説得力が「100年に一度」という言葉には込められていると感じた。



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