チーム コカ・コーラ公式ソング「Colorful」、WANIMA「和心」、嵐「カイト」……東京オリンピック盛り上げる関連楽曲に注目

 昨今注目度の高いグローバルアーティストだが、五輪関連曲においても例外ではない。中国の動画配信サービス「テンセントビデオ」では、オーディション番組『創造営2021』から誕生したボーイズグループ・INTO1(イントゥーワン)の楽曲「INTO THE FIRE」が報道応援ソングに採用された。INTO1は中国から6人、日本から3人、タイから2人といった国際色豊かなメンバーで構成されており、熾烈なオーディションを勝ち抜いた実力者揃い。2年間という活動予定期間の間、音楽活動だけでなく五輪関連番組をはじめ大型番組への参加、60以上のブランドとのコラボレーションなど、幅広い活躍を見せる予定だという。

INTO1–《INTO THE FIRE》MV

 楽曲はホーンセクションが華やかに彩るダンスチューンだが、ヒップホップ風の低く重いビート感が勇ましく、11人のパワフルなパフォーマンスと力強いユニゾンにアドレナリンが迸る。アスリートの士気を高めるような楽曲の力強さもさることながら、様々な競技のアスリートの扮装をしたメンバーの姿を楽しめる茶目っ気たっぷりのMVも必見だ。アスリートだけでなく、医師やテレビマンなど、大会を裏から支える“名もなきヒーロー”たちの扮装も披露しているのが印象的。

 そして、今回の東京五輪の関連ソングのなかでも最重要楽曲と言っても過言ではないのが、嵐が歌う「カイト」だ。

嵐 - カイト (アラフェス2020 at 国立競技場) [Official Live Video]

 「カイト」は、「NHK2020ソング」として2019年に発表された楽曲。東京五輪、そしてその先の未来に向け、アスリートやこれからの時代を担っていく若い世代を応援する楽曲として制作され、米津玄師が作詞作曲を手がけたことでも注目を集めた。2019年末の『第70回NHK紅白歌合戦』で、改修が終わったばかりの新国立競技場で嵐がパフォーマンスしたこともまだ記憶に新しいだろう。

 ピアノから壮大なストリングスへと繋がっていく流麗なサウンドは嵐のボーカルを活かすために作られたようにシンプルで、たおやかなメロディに乗る美しいユニゾンが聴く者の心にそっと寄り添う。アスリートの士気を高めたり視聴者のテンションを上げるような曲調のものが多いなか、スローテンポで歌い上げられるこの楽曲はさりげなくも異彩を放っている。

 5人それぞれの個性的な歌声が魅力の嵐だが、「カイト」ではソロパートはほぼない。あくまでもハーモニーとユニゾンで魅せるボーカルは、まるで「嵐」というひとりの人格が歌に宿っているかのように独特の響きを持って届く。

 混乱が続く中で始まった東京オリンピック・パラリンピックだが、そこで戦うアスリートの想いと努力、そしてそれを応援する人々の感情はいつの時代のどの大会でも変わらないものだ。そこには歓声と共に音楽があり、多くの人の背中を押したり、心を優しく包み込んだりする。時代によって変わりゆく点はあれど、音楽は常に様々な形でオリンピック・パラリンピック、そしてその先の私たちの日々を色とりどりに彩り続けてくれることだろう。

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