丘みどり「みどりのケセラセラ」は底抜けに明るい“今歌いたい曲”に ファンとの約束、リサイタルへの意欲も語る

丘みどりが“今歌いたい曲”

席に座ったまま楽しんでもらえる振り付け

ーーでも、こういう「なるようになるさ」という考え方は、今の時代にはある意味で必要かもしれないなと思いました。

丘:そうですね。気持ちを楽に持つということなので。やっぱり考えすぎてしまう人って多いと思いますし、真面目な方ほど根を詰めてしまうと思うので、ぜひそういう方にも聴いてほしい曲だなと思います。

ーー関西弁がたくさん出てきて、丘さんっぽいですね。

丘:はい。〈そやね そやな〉とか〈しゃあない〉とか、普段からよく使いますね。マネージャーさんが落ち込みやすい人なので、励ます度に言っています。「もう、言うたってしゃあないやん、終わったんやから〜」とか、「しゃあないしゃあない。次がんばろ!」とか。私は終わったことはあまり引きずらないんですけど、マネージャーはすごく引きずってしまうタイプなので、「引きずってもしゃあない。終わったもんはしゃあないやん」って。

ーー丘さんとマネージャーさんは正反対の性格で、でもそれがいいんでしょうね。

丘:そうですね。私が突っ走りそうになると、冷静に引き留めてくれたり。いいバランスなのかな(笑)。

ーー丘さん自身のことで、最近〈あくせくしたってしゃあないね〉と思ったことは何かありますか?

丘:それはずっと思っています。今はお仕事をお休みさせていただいているのになぜか毎日すごく忙しくて……自分で勝手に予定を入れているだけなんですけど(笑)。ふと、何をそんなに私は生き急いでいるんだろうって、自分で自分の首を絞めてるなって思うことはよくあります。

ーーどういう予定を入れちゃうんですか?

丘:梅干しを漬けなきゃとか(笑)。すごく難しい料理にチャレンジしてみようと思って、材料を買いに行くんですけど、まずスパイス屋さんに行って、次にお肉屋さんに行ってと、すごく細かく計画を立てちゃって、それに追われてしまうんです。本当は、もっと穏やかに過ごすつもりだったんですけど、我ながら「あくせくしてるな」って思います。

ーーちなみにスパイス屋さんに行った時は、何の料理を作ったんですか?

丘:その時はカレーとかインド系の料理を、スパイスからこだわって作りました。スパイスを調合している時は、すごく楽しかったです。

ーー美味しくできたんですか?

丘:それなりの味にはなりました(笑)。私、大雑把なところがあるので、レシピはざっくりとだけ調べて、何を大さじ何杯とか、細かいところは全部目分量なんです。

ーースパイスにはこだわるのに?

丘:そこまではこだわるんですけど、いざ調理を開始すると目分量が勝ってしまうんです(笑)。それこそ「ケセラセラ」ですよ。「なるようになる」みたいな感じで、だいたいで作ってしまいます。でも、やっぱりなるようにはなるもので、美味しくなかったことは一度もないですね。

ーー「みどりのケセラセラ」は、丘さんのキャラクターにぴったりの曲なんですね。

丘:うちの父とか祖母も、この曲を聴いて「みいちゃんっぽいね」って言ってくれました(笑)。

ーー作詩の森坂ともさんとは初めましてですか?

丘:今回初めてご一緒させていただきました。もちろんあらかじめ曲のイメージは伝えていて、関西弁をどこかに入れてほしいということも最初に伝えていました。すごく私のことを考えて書いてくださったことが伝わってきて、「ああ、今歌いたい曲だな」って思いました。ただ初対面でここまで見透かされてしまうとは、よほど私って分かりやすい性格なんですね(笑)。

ーーカラオケで歌う時のアドバイスは何かありますか?

丘:岡先生からは、「ここをこう歌って」ということよりも、力を抜いてリラックスという、気持ちの面でのアドバイスが多くて。なので、ほっこり笑顔で歌ってくだされば、それが1番じゃないかと思います。

ーーこの曲は振り付けがあって、みんなで一緒に踊って楽しめるところも大きなポイントですね。

丘:はい。横浜のラーメン博物館でMVも撮影したんですけど、すごくお気に入りのMVになりました。昭和レトロな雰囲気のセットが素晴らしくて、その中で花柳糸之社中の皆さんが踊ってくださっていて。

ーー着物姿じゃない花柳糸之社中さんというのもレアだなと思いました。

丘:本当にそうなんです。あの昭和っぽい衣装は、皆さんがそれぞれ自前で持って来てくださって。すごくかわいいし、華やかだし、このMVを見るだけでどこか懐かしい気持ちになって、笑顔になっていただけるんじゃないかと思います。

ーープレミアム盤のDVDには、そのMVとメイキング、そして振り付けレッスン映像も収録しています。

丘:はい。今はコンサートでお客さんが声を出せないので、席に座ったままでも楽しんでもらえる、覚えやすい振り付けを考えていただきました。なのでDVDを参考にして覚えてもらって、12月のリサイタルでぜひ一緒に踊っていただけたらうれしいです。それまではまだ少し期間があるんですけど、その間に踊ってみた動画と言いますか、踊ってくださった動画をYouTubeにアップしていただけたらうれしいですし、最近は女子高生ファンも増えたので、女子高生の皆さんはTikTokに上げてくれたらうれしいですね。

ーー丘さんは、TikTokはやっていますか?

丘:いえ、見ているだけです。編集とか効果とかすごくて、やってみたいなと思う気持ちもあるんですけど、あまり手を広げすぎると「ついて行けないからやめて」って、ファンの方に言われてしまうことがあるので(笑)。

ーー衣装はいつもご自身で探されると言っていましたが、今回の着物のポイントは?

丘:せっかく「みどりのケセラセラ」と名前を入れてもらったので、緑色にこだわって選びました。胸元の柄は菊の花で、全身で見るとすごく華やかです。ちょっとレトロな感じもあって、MVのセットともすごくマッチしました。

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