NMB48 山本彩加は、アイドル最後の瞬間まで輝いていたーー卒業公演をレポート

NMB48 山本彩加は、アイドル最後の瞬間まで輝いていたーー卒業公演をレポート

 NMB48の人気メンバー・山本彩加の卒業公演『最後の一色』は、まさにラストの瞬間まで彼女らしさで彩られた。

 3月19日に大阪・NMB48劇場でおこなわれた、彼女のファイナルステージ。2016年6月に研究生としてデビューを飾り、半年も経たずしてチームNへ昇格し、選抜メンバーへ。翌年3月にはAKB48のシングル曲「シュートサイン」でも選抜メンバー入りを果たすなど瞬く間に飛躍。お披露目から5年、逸材としてグループの中核を担った18歳は、新しい人生を歩む決断を下した。

「アイドル・山本彩加をしっかり目に焼きつけてください」

 公演開始前の影ナレーションをつとめた山本は、集まったファンにこのように告げた。「今日が最後という実感はありませんが、山本彩加のアイドル(の姿)を目に焼き付けてください!」。卒業公演の共演メンバーは、梅山恋和、小嶋花梨、清水里香、上西怜、中川美音、水田詩織。いまやNMBの中核を担う同期生たちだ。

 1曲目は、「初めての星」。山本が所属したチームNを象徴する代表曲のひとつだ。〈長い長い道のりだった この場所に来るまで〉と歌う山本の表情は感慨深そうだったが、すぐにいつもの元気な顔に変わる。2曲目「プロムの恋人」は、アメリカなどで卒業式のあとに開かれるダンスパーティーをモチーフとした楽曲。卒業公演にぴったりだ。山本のプロムのパートナーをつとめるのは、小嶋。グループを牽引してきたふたりは、笑みを交わし合いながらステップを踏む。

 「アイドル・山本彩加をしっかり目に焼きつけてください」と言い、続いて「未来が目にしみる」。〈目にしみても ちゃんと見ろよ〉という歌詞がその言葉に重なる。ファンも山本を明るく送り出したいはずだが、やはり〈なぜだろう 涙が溢れる〉が素直な感情ではないか。

誰からも尊敬を集めた18歳

 3曲を終えたところで、MCコーナーに。山本は「最後の自己紹介をします。あふれる笑顔!(ええやん) 全力疾奏!(やるやん) 空手ガールの?(あーやん) あーやんのパワーでみんなの心に彩りを加えるよ」と笑顔で口にする。かつて自身のブログのなかで「表現の難しさ」(2017年8月22日)というテーマで、「まだ全然磨けていないので、しっかりと磨き上げて、”あーやんのセンター最高~”って言っていただけるように頑張りたい」と模索していた彼女。それから約3年半。自己紹介だけでも、あーやんの世界が会場中にパッと広がるようになった。

 清水もこのMCパートで「ずっと“センターになる”と言っていて、なったから、私も“すごいな”と思った」と、山本の有言実行のエピソードを明かす。誰からも尊敬を集めた18歳だった。一方で中川は、「最近、やっとメールがタメ語になってきたのに」と卒業が名残惜しそうだった。

 4曲目は「わるきー」。2016年8月9日、渡辺美優紀の卒業公演の際、次の世代を担うメンバーで固められた「みるきー選抜」に5期生から唯一参加。偉大な先輩からバトンを直々に託された。そんな渡辺の人気曲を継承した山本は、「わるやんも今日で見納め」と目いっぱい可愛らしく歌いあげた。そのあと「太宰治を読んだか?」「アップデート」と続き、7曲目「ずっと ずっと」で本編はラスト。「私への愛をクラップでぶつけてください」と呼びかけると、新型コロナの感染対策で声が出せないお客は力いっぱいの手拍子で応えた。「みなさんと過ごせた時間、ずっとずっと忘れません」という曲間のMCが楽曲のメッセージにもリンクし、感動的なパフォーマンスとなった。

 アンコールの拍手のあと、スクリーンに山本の約5年の歩みが映し出される。オーディション時の初々しい姿、研究生公演や初選抜のとき、生誕祭など山本が全力で青春を駆け抜けたことが実感できた。

 アンコール1曲目は、山本が「桜の木になろう」をソロで歌唱。〈制服と過ぎた日々を 今日の思い出にしまい込んで 新しく生まれ変わる その背中を見守ってる〉と歌う山本に、涙が止まらない人も多かったのではないか。込み上げる感情をグッとこらえるようにして曲を歌いきった山本。この強さこそが彼女の魅力なのだ。

 ラストを飾ったのは「サササ サイコー!」。〈何も心配ないよ 未来はバラ色だ〉。伝えたいことのすべてがこの曲に集約されていたのではないか。山本彩加は本当に最高のアイドルだったし、このあともきっと、輝かしい未来が待っているはずだ。

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