モーニング娘。、松浦亜弥、藤本美貴、Berryz工房……映画『あの頃。』を機に楽しみたいハロプロ楽曲

映画『あの頃。』を機に楽しみたいハロプロ楽曲

 作中では「ハロプロあべの支部」のメンバーで、“恋愛研究会。”というバンドを結成。自身のトークイベントで、お揃いのキャップとTシャツ姿でモーニング娘。の「恋ING」を歌唱し、同曲は映画のエンドロールにもかかる。「恋ING」は、2003年11月に発売された20枚目のシングル『Go Girl~恋のヴィクトリー~』のカップリング曲。高橋愛、藤本美貴、亀井絵里の3人が中心となって歌う、はじまったばかりの恋模様を描いたミディアムバラードだ。ファンやメンバーの間で非常に人気が高い楽曲で、2009年に開催された『モーニング娘。 全シングル カップリングコレクション』発売記念イベントでは、ファンが選んだカップリング曲の第1位に選ばれた。ソロコンサートやバースデーイベントなどでもよく歌われ、映画にコメントを寄せたOGである飯窪春菜も「私は『恋ING』に弱い」と語るほど愛されてきた。思わず涙ぐんでしまう、綺麗なイントロも心地よく、映画の煌めきと重なる。

 2005年には、飯田圭織、矢口真里、石川梨華がモーニング娘。から続々と卒業。オリジナルメンバーが一人もいなくなり、他アイドルの台頭なども相まって、彼女たちはパフォーマンス力を磨いていくことに。それが、後に「プラチナ期」とよばれる時代や現在のモーニング娘。’21をはじめとしたハロー!プロジェクト全体へとつながっていく。また、つんく♂だけでなく、作詞家の児玉雨子や作曲家の星部ショウなど多彩な制作陣と共に、魅力的な楽曲を手がけ続けている点も、彼女たちを飛躍させている一部だろう。多数の楽曲を手がけてきたつんく♂は、自身のnoteで「アイドルというジャンルで音楽を作るのではなく、ロックの概念で曲を作り続ける」と語る(※2)。現在は、グループによって楽曲の特徴やパフォーマンスの個性が異なり、力強い芯を持ってアイドルシーンを駆け抜けている。『あの頃。』を機に改めて、歌詞や楽曲にも注目しながら、様々な表情を持つハロー!プロジェクトのパフォーマンスを楽しんでほしい。

(※1 つんく♂エンタメ♪サロン生配信 ~映画「あの頃。」を語る~ ゲスト:劔樹人さん、末吉9太郎さん(CUBERS)2021年2月5日配信特別公開 https://www.youtube.com/watch?v=xsAU52aOQ60)
(※2 映画『あの頃。』を観たつんく♂が今だから語れる、松浦亜弥とモー娘。とハロプロ。 https://note.tsunku.net/n/n3d0b873549c2)

■羽佐田瑶子
ライター。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。主な執筆媒体はQuick Japan、She is、テレビブロス、CINRA.NETなど。Twitter:@yoko_hasada

■公開情報
『あの頃。』
2021年2月19日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか
全国ロードショー
配給:ファントム・フィルム
©2020『あの頃。』製作委員会

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