常田大希、多くの人を惹きつけるクリエイティブファーストの姿勢 King Gnu、ミレパ……共鳴する仲間たちと創作する理由

 King Gnu 、millennium parade、PERIMETRONという3つの集団を率いる常田大希。2月10日にはmillennium paradeが1stアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』をリリース。『ROCKIN’ON JAPAN』や『MUSICA』といった音楽誌だけではなく、『GINZA』や『SWITCH』、『Pen』といったカルチャー誌でも表紙を飾り、大々的に特集が組まれた。

 その事実は作品のみならず、常田自身の創作に向かう姿勢、マインド、生き方が多くの人々を魅了していることを物語っている。常田の周りにはジャンルを横断できる知識や実力、柔軟性を持っているクリエイターが多く、彼が指揮を執って生み出された楽曲では多様な音が鳴っている。音楽家・常田大希の表現に触れ、衝撃を受け、昂揚したリスナーが「この人はいったい何を考えているのだろう?」「脳内を覗いてみたい」と思うのは自然な流れだ。

millennium parade
millennium parade『THE MILLENNIUM PARADE』

 King Gnu 、millennium parade、PERIMETRONのメンバー/関係者が常田大希の人物像について語るとき、まず上がるのが、創作に対する真摯な姿勢だ。細かいところまでこだわり、自分が納得できるまで何度もトライアンドエラーを行う。一度レコーディングを終えたものでも何か違和感を抱けば、たとえ納品直前でもやり直すことがあるそうだ。試行錯誤を重ねながら制作を進めていく様子は、1月8日に放送されたドキュメンタリー番組『常田大希 破壊と構築』(NHK総合)にも収められていた。

 “自分の信じたものを貫き通す”という意味では職人的だが、“「カッコいいかどうか」というプリミティブな判断に忠実”という意味では少年的。そんな自身の性質について常田は以下のように語る。

「俺は小さい頃から、人に認められたい、こういうふうに見られたいという考えが音楽に関してはあまりなくて、自分がカッコいいと思うもの、自分が信じるものが明確にあったんです」(①)

「自分のことを『つまんねえなぁ』って思いたくない気持ちが強くて。良くも悪くも超飽き性なんですよ(笑)。自分が刺激を感じられないと、生命力が鈍ってくるような気さえしていて。いいものを作るためには、多少のクレイジーさも必要だと思っているんですよね」(②)

 「自分と同じ意志を持ち、共鳴する仲間たちと、自分たちが最高だと思えるものを作る。そのことを一番大切にしている」(③)という常田。なかでもmillennium paradeは、固定メンバー10名に加え、曲に応じて他のアーティストも参加する形態。それについては「音楽を作るということは、映画を作るようなものだと思っていて。だから楽曲だけでなくアートワークやミュージックビデオも含めて、その曲の世界観を作り上げるために最適なミュージシャンやクリエイターを、映画に必要な役者やスタッフを起用するように、曲ごとに毎回考え、参加してもらっているんです」(④)と言及している。だから仲間との関係性は馴れ合いであってはならない。いつだって土台にあるのは“この表現を実現させるためにはこの人が必要だから”というシンプルな動機であり、クリエイティブファーストのマインドということだ。

「参加してくれたミュージシャンたちひとりひとりの作品に対する思いも含めて、彼らの全部がその演奏、その音に乗っかったのか、限界を超えたところまでいけたのかどうかというのが重要なんです」(⑤)

「リスペクトできる仲間だからこそ、いいグルーヴが生まれているんだと思う。同時に緊張感もあります。プレイヤー陣にかっこよさを求める分、俺はこのメンツを納得させられる作品を生み出さなくてはいけない」(⑥)

「その意味で、いつも緊張感はあるけど、やっぱり曲が完成した時の達成感は何物にも代え難いですから」(⑦)

 と常田。millennium paradeの「Philip」に参加した中野裕太にインタビューしたとき、「大希から「裕太くんの声がほしい」「裕太くんの詞が必要だ」と言われたらーー実際、大希はそういう言葉を投げかけてくれるんですけどーー当然捧げたくなりますよね」と言っていたが(参照:「変なやつだけど、チャーミング」中野裕太が明かす、盟友 King Gnu 常田大希と過ごした刺激的な青春時代)、各誌の取材に応えている常田の周辺人物の発言を見ると、中野以外のクリエイターも「自分のことを必要としてくれているのが分かる」「だから応えたいと思う」「共に創作すると鼓舞されるし刺激も受ける」というふうに考えていることが分かる。

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