男性声優とボカロ曲繋げた『ACTORS』シリーズ すりぃ、Ayase、Neruらの名曲とキャラクターの歌によるレアな化学反応

 『ACTORS』シリーズが生み出すのは、レアな組み合わせによる歌唱。学園内においても、キャラクターを演じる声優においても、これまで接点のなかった者同士が共に歌を披露することで、レアな化学反応が起こる。もうひとつは、声優よりも声優の演じるキャラクターがボカロ楽曲を歌っている印象が強くなる現象。従来からボカロ楽曲を歌ってみたとしてカバーしてきた歌い手にも、自身のアイコンは必須だが、彼らの楽曲を聴いてそのアイコンを思い浮かべることのできる人は少ない。『ACTORS』には、キャラクターそれぞれの性格から物語までもが用意されているうえに、演じるキャラクターへ命を吹き込む声優が歌うことでキャラクターの存在が歌う本人よりも前に出てくる。ボーカロイドが歌唱するボカロ楽曲に、生身の歌い手がオリジナリティのある付加価値を付けたのと似て、声優がキャラクター自身を生かしていく、それこそが『ACTORS』なのだ。

【2021年1月6日発売】 ACTORS -Deluxe Dream Edition-【XFD動画】

■小町 碧音
1991年生まれ。歌い手、邦楽ロックを得意とする音楽メインのフリーライター。高校生の頃から気になったアーティストのライブにはよく足を運んでます。『Real Sound』『BASS ON TOP』『UtaTen』などに寄稿。
Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる