男性声優とボカロ曲繋げた『ACTORS』シリーズ すりぃ、Ayase、Neruらの名曲とキャラクターの歌によるレアな化学反応

 男性声優陣がボカロ楽曲を歌唱する『ACTORS』は、2014年から現在までにすでに30作を超えた、声優とボカロ楽曲を繋げた屈指のシリーズ作品。2021年3月19日にはいよいよ活動7周年を迎える。そんな『ACTORS』の醍醐味は、声優の持ち味を生かすことのできるアニメ仕立てのストーリーが構築されていることにある。 

 舞台は、巨大学園都市群スライヴセントラルに建つ私立天翔学園。そこに通う1~3年の生徒、先生を演じているのが、豊永利行、蒼井翔太、江口拓也、KENN、浦田わたる、木村昴などの豪華男性声優33名だ。部活動の成果や学校のイベントに参加して獲得できる部活動ポイントを維持している部活が様々な待遇を受けられる学園内で、最も人気なのは定期的に開催される一大イベント「天翔学園歌唱コンテスト」。ちなみに、『ACTORS』は2015年6月に小説化、2019年10月には『ACTORS -Songs Connection-』(TOKYO MXほか)としてアニメ化もされている。 

【ACTORS】天翔学園歌唱コンテスト本選出場者の発表【CD告知動画】
ACTORS
『ACTORS -Deluxe Dream Edition-』通常盤

 そして今年1月6日にリリースされた最新作『ACTORS -Deluxe Dream Edition-』より、天翔学園歌唱コンテストが開催された。同作品には、予選大会として総勢33名によるボカロ楽曲のソロ歌唱を収録した『ACTORS -Singing Contest Edition-』(2020年5月20日リリース)の楽曲からファン投票で選ばれた16名によるボカロ楽曲のデュエット歌唱を中心とした本選の模様が収められている。

 『ACTORS -Deluxe Dream Edition-』はCD2枚組のうち、【DISC2 –Drama&Songs-】に動画共有サイトにて再生回数が450万回(2021年1月13日現在)を誇るすりぃ作詞作曲の「ジャンキーナイトタウンオーケストラ」、歌い手界隈で爆発的人気を巻き起こしたかいりきベア作詞作曲の「ベノム」、動画共有サイトにて再生回数が3140万回(2021年1月13日現在)を突破したユリイ・カノン作詞作曲の「だれかの心臓になれたなら」、昨年12月、『NHK紅白歌合戦』に初出場した小説を歌にするYOASOBIのコンポーザー・Ayase作詞作曲の「シニカルナイトプラン」などここ数年のトレンドを押さえつつ、2015年1月に公開された「イカサマ⇔カジノ」、2013年3月に公開されたNeru作詞作曲の「ハウトゥー世界征服」などの物語音楽のブームにあった時代の楽曲も押さえている。なかでも、魚津 鯆澄(CV.KENN)と飯盛 駆(CV.浅沼晋太郎)による「ベノム」では、〈笑えよ笑え〉や〈断然テンションLOWだ〉という言葉の意味に合わせて声のトーンを変化させているところもあり、声優の特質が表れていて興味深い。

【ACTORS】ハウトゥー世界征服/二条 佐斗流(CV.ランズベリー・アーサー)×二条 佑斗(CV.古川慎)【MV】

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