榎木淳弥、山下誠一郎、鈴木崚汰……2021年さらなる飛躍が期待される注目の男性声優たち

 『鬼滅の刃』の国民的ヒットや、コロナ禍によって「家で楽しめる」娯楽の需要が高まり、アニメコンテンツがより一般的なものになっていった2020年。アニメだけでなく声優のアーティストデビューや声優主体の番組なども当たり前になった中で、2021年、さらなる飛躍が期待される注目の男性声優5人を紹介したい。

 まず挙げたいのが山下誠一郎。アニメ『刀剣乱舞』シリーズの薬研藤四郎・愛染国俊や、『orange』の成瀬翔、ゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』のエース・トラッポラなど、人気作の主要キャラクターで着実に実績を積み上げてきた。芯のある落ち着きと、爽やかなみずみずしさを兼ね備えた声音を持つ山下の武器は、演技の圧倒的な「自然さ」だ。癖を強めて個性を出すのではなく、あくまで等身大の人間を表現する語り口は、本当の知り合いが話しかけてきているようなリアリティがある。石川透役で出演する1月スタートの新アニメ『ホリミヤ』は、思春期まっさかりの高校生の、リアルで繊細な感情の機微を描いた作品。なにげない日常会話のシーンにこそ発揮される、山下の実力が目撃できるはずだ。

TVアニメ「ホリミヤ」本PV

 続いて注目したいのは鈴木崚汰。鈴木の実力を知らしめたのは『かぐや様は告らせたい? 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』だろう。『かぐや様』は基本ラブコメディだが、話が進むにつれ、作り込まれた設定とキャラクターの感情が丁寧に展開されていく作品であり、ひとつの役の中でも広い振れ幅を演じる技術が求められる。鈴木が演じた石上優も、一見根暗でひがみっぽいが、自分の決めたことを貫く強さを持つギャップのあるキャラクター。コミカルとシリアス、ローテンションとハイテンションが入り乱れる難しい役どころを、鈴木は見事に演じている。今後、実力が求められるキャラクターでの活躍が期待される。1月からの新アニメでは、フィギュアスケートが題材の『スケートリーディング☆スターズ』に雲宝賢人役で出演する。

TVアニメ『スケートリーディング☆スターズ』 PV②

 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』で一気に頭角を現したのが岩崎諒太と葉山翔太。音楽原作キャラクターラッププロジェクトという新ジャンルを開拓した『ヒプマイ』では、単純な声優としてだけではなく、キャラクターとしてラップするスキルが求められる作品だ。しかも、岩崎演じる白膠木簓と葉山演じる波羅夷空却は、『ヒプマイ』がすでに人気コンテンツとして高い注目を集めていたタイミングで登場した後発キャラクターで、幾重ものプレッシャーがあったはずだ。岩崎は「Tragic Transistor」をコテコテのオオサカ人のキャラクターを全開に、「憑依型」と評される葉山は高速ラップとスキャットがこれでもかと詰め込まれた「そうぎゃらんBAM」を圧倒的なクオリティで歌いこなしてみせた。役者としてだけでなく、音楽面での活躍も待ち遠しい2人だ。

ヒプノシスマイク「あゝオオサカdreamin' night 」/ オオサカ・ディビジョン どついたれ本舗 Trailer

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる