BABYMETAL、結成10周年&最終楽章へ向かう様々なアクション BMTHら作品参加、大型音楽番組出演……2020年の動向を追う

 そして後者の「Kingslayer ft. BABYMETAL」だが、こちらはBring Me The Horizonの最新EP『Post Human: Survival Horror』収録の1曲。BABYMETALは同EPにてヤングブラッドやNova Twins、エイミー・リー(Evanescence)とともにフィーチャリングアーティストとして参加しており、昨年11月の日本での共演以来となるBring Me The Horizonとのタッグをひとつの楽曲の中で存分に楽しむことができる。レコーディング作品としては『METAL GALAXY』以来約1年ぶりの新作となるこの曲はBABYMETALの純然たる新曲とは言えないかもしれないが、それでも日本語と英語を織り交ぜた歌唱と、肉感的なモダンメタルサウンドとエフェクトの効いたデジタルサウンドとの融合は非常にBABYMETAL的でもあり、10周年イヤーのサプライズとしては十分な1曲といえる。

Bring Me The Horizon – Kingslayer (Lyric Video) ft. BABYMETAL

 以上のような活動で、コアなリスナーや耳の早い音楽ファンへ向けて数々のコンテンツを提供してくれたBABYMETAL。そんな彼女たちが節目のタイミングにさまざまな音楽番組に出演することは、単なる集大成以上の目的が感じられる。過去にも『ミュージックステーション』など地上波の音楽番組に出演する機会はあったが、それも数えられる程度。特に今回は『NHK紅白歌合戦』という国民的大型音楽番組への出演が含まれており、ここで初めてBABYMETALのパフォーマンスを目撃するという方もかなりいることだろう。世界中の音楽ファンを魅了した唯一無二のパフォーマンスが、お茶の間の向こうでどう支持されるのか。そして、そこで心を動かされた人たちが前後してリリースされるベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』や過去の作品へと向かってくれるのか。BABYMETALが「世界を魅了する国民的アーティスト」へとのぼり詰めることができる、非常に大きなチャンスと言えるだろう。なお、彼女たちは『CDTVライブ!ライブ!クリスマススペシャル』では「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」、『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020』では「Distortion (feat. Alissa White-Gluz)」を披露する予定。『紅白』ではどの曲を選ぶのかにも注目が集まる。

 2020年を『紅白』初出場で締めくくったあと、2021年のBABYMETALは『10 BABYMETAL BUDOKAN』にて幕開け。今のところ1月19日、20日と2月16日、17日、19日、20日の6公演のみスケジュールが発表されており、残り4公演に関しては追って詳細がアナウンスされる。BABYMETALが武道館でライブを行うのは、2014年3月1日、2日の『BABYMETAL – 赤い夜 LEGEND “巨大コルセット祭り” ~天下一メタル武道会ファイナル~』『BABYMETAL – 黒い夜 LEGEND “DOOMSDAY” 〜召喚の儀〜』以来、実に7年ぶりのこと。前回は「METAL RESISTANCE EPISODE I」の締めくくりとなる節目の2公演だったが、果たして今回はどんなステージを10公演にわたり見せてくれるのか。結成10周年、そして「METAL RESISTANCE EPISODE X」という“最終楽章”という節目が重なることもあり、その内容は非常に気になるところだ。

 直近の日本単独公演となる今年1月の『METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN EXTRA SHOW「LEGEND – METAL GALAXY」』が2公演ともセットリストが一切被らない、非常にコンセプチュアルな内容だったが、あれは最新アルバム『METAL GALAXY』の世界観を体現したもの。今回はベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』発表直後ということもあり、やはり10年間の総決算的な内容になるのだろうか……その興味や期待は高まるばかりで、開催1カ月前から尽きることはない。

 このコロナ禍で思うように海外での活動も行えない中、“最終楽章”を迎えたBABYMETALがここからどんな活動をしていくのかは、正直まったく想像ができない。“神のみぞ知る”という言葉がこんなにもしっくりきて、かつこんなにも恨めしいと思えて仕方ない。しかし、時間は有限だ。今は年末の音楽特番を楽しみにしつつ、1月からの武道館公演が無事行われることを願うばかりだ。そうこうしているうちに、きっと新たなる“お告げ”が届けられるはずだから。

■西廣智一(にしびろともかず)Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

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