BTS、SEVENTEEN、NCT、MAMAMOO Hwa Sa……『2020 MAMA』からK-POPシーンの動向をおさらい

『2020 MAMA』からK-POPシーンの動向をおさらい

 12月16日、『2020 Mnet ASIAN MUSIC AWARDS(通称:MAMA)』が韓国で開催された。

 昨年は韓国・日本・香港で行われるなど、例年はアジアのいくつかの地域に、K-POPアーティストを中心にアジア圏のそうそうたる顔ぶれが出演するビッグイベントである『MAMA』。しかしながら世界中のK-POPファンが楽しみにしているこのイベントも今回はオンラインでの配信のみとなった。

 世界中が予期せぬ状況に陥った2020年。ファンとアイドルにも距離が生まれる一方、新たな試みでその距離を縮める姿も見られたこの年に、一体K-POP界にはどのような風が吹いていたのだろうか。1年の締めくくりでもある『MAMA』を振り返りながら、今年の音楽シーンをおさらいしていきたい。

 新たなK-POPの代名詞として目が離せないのは、やはりBTS。今年も”9冠”(IUとSUGAのベストコラボレーションを含む)という圧倒的な記録を打ち立てて2020年も彼らの年になった。Artist of the Yearを手始めに、ビルボードHot100で1位となった「Dynamite」でSong of the Year、アルバム『MAP OF THE SOUL:7』でAlbum of the Yearを受賞。さらにWorldwide Icon of the Yearを受賞して大賞4つを全てBTSのものにした。

 また、Best CollaborationをIUの「eight(Prod.&Feat. SUGA of BTS)」が受賞。グループとしてだけでなくプロデューサーとして活躍する彼らの一面にもスポットライトが当たり始める1年にもなったのではないだろうか。

 というのも、先日リリースされたアルバム『BE (Deluxe Edition)』は彼らが様々な面でプロデュースを手がけた作品。現在のK-POPシーンでは、“セルフプロデュース”というポイントが重視されている傾向も感じられる。

 Notable Achievement Artistを受賞したSEVENTEENも、才能溢れたメンバーによるセルフプロデュースを行うグループとして知られている。作詞作曲や振り付けまでをメンバーが担当することも多く、そうした面も人気の理由の一つだ。

 女性グループとして特筆すべきなのはBLACKPINKだろう。BLACKPINKは、Best Female Groupと「How You Like That」でのBest Dance Performance Female Groupで栄冠を手にした。昨年の『コーチェラ・フェスティバル』出演を皮切りに、アメリカはじめ英語圏での番組出演が急増した彼女たち。K-POPのクイーン的立場に君臨しつつあり、クールなサウンドとダンス、抜群のスタイルとパフォーマンスで世界中を魅了している。世界で活躍する彼女たちの強みはその語学力。タイ出身のLISAが話すタイ語はもちろん、海外生活の長かったメンバーが英語を流暢に話すのでグローバルな活動もスムーズだ。

 他グループで言えば、Favorite Male Groupに選出されたNCTは多国籍なグループ。受賞コメントは4カ国語で話され、グローバルに進化しつつあるK-POP市場で生き抜くもう一つのポイントを見いだすことになった気がした。楽曲に関してもラップや歌詞に英語を含むものが増え、さらに音楽的にもうまくK-POP独自の部分を保ちつつアメリカナイズされているという点でも世界中を席巻しているのかもしれない。

 また、個人の活動が光ったのはMAMAMOOのHwa Sa(ファサ)。「Maria」でBest Dance Performanceを受賞した彼女だが、昨年の「TWIT」に引き続きグループ活動はもちろんソロでの活動もしっかりとこなしている。ジェンダーに関係なく”憧れ”として存在しつつ、バラエティ番組ではチャーミングさで人気を博すHwa Sa。力強い歌声とエネルギッシュなパフォーマンスは芸術とも表現できる。

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