EXILE、新体制14人の決意を刻んだ「RED PHOENIX」 再生と復興を掲げる“LDHエンタテインメントの集大成”に
さらに言えば、途中のEXILE AKIRAと岩田剛典による殺陣(たて)のようなパフォーマンスシーンは、二人がメインキャストとして出演した『HiGH&LOW』シリーズを連想せずにはいられないし、そもそもこのハードな曲調やMVのスケール感からも『HiGH&LOW』のテーマソングであるEXILE TRIBE「HIGHER GROUND feat. Dimitri Vegas & Like Mike」などが思い出される。このように「RED PHOENIX」はあらゆる面で、LDHエンタテインメントにおける一つの集大成的な作品であると考えて間違いない。
もちろん、ただの「集大成」だけでは終わらない。MV公開時のAKIRAのコメント(参照:EXILE、14人の新体制による新曲「RED PHOENIX」配信&MV公開 EXILE AKIRAからのコメントも)にもある通り、同MV内では新しい試みとしてEXILE SHOKICHIのドラム、EXILE NESMITHのギター、白濱亜嵐のDJなど、メンバー達が各グループの活動の中で(もしくはそれと並行して)培ってきた能力を活かした演出が随所に組み込まれている。さらに、この演出自体が、EXILE TRIBEの重要な一要素である“パフォーマー”の意味が20年で大きく広がった証左であり、今後もグループとして表現の幅を広げられる可能性を示唆しているようにも感じられた。
2020年、結成から20年目を迎えたEXILEは、2つの転機に立ち向かうこととなった。1つは、未曾有の新型コロナウイルス感染拡大により、表現の機会が失われたこと。そしてもう一つは、象徴的な存在であったEXILE ATSUSHIの勇退。それらを経て彼らが打ち出した解こそ、〈新たに創造したマスターピース/真っ白な空に放つ時/We get freedom〉ーーそう高らかに歌う「RED PHOENIX」は、EXILEがあくまでEXILEとして再構築され新たな道のりへ進むこと、そしてその道のりはエンタテインメントを求める全ての人へ寄り添うものであることを示す、復活の宣言だ。
■日高 愛
1989年生まれの会社員。