「あたらしい朝」インタビュー
リュックと添い寝ごはんが語る、“昭和への憧れ”や“目指すバンド像” 「3人の日常に出てくるものを音楽に昇華させたい」
「淡々とした日常を描いている音楽がすごく温かい」
ーー歌詞に関してはいかがですか。
松本:歌詞は……一人歩きがすごく楽しみですね。今回の歌詞は、情景が浮かびやすい歌詞だと思うんですよ。僕のなかでは、高円寺を歩いている人のイメージなんですけど。
ーーMVの舞台も高円寺でしたね。
松本:はい。人によって、違う情景が浮かぶんじゃないかなと思うので、そこが楽しみです。
宮澤:〈雨があがって晴れた朝〉という歌詞が出てくるんですけど、コロナ禍の時期のことを表現しているのかな?と思って。うずうずとしていた気持ちが、ちょっとずつ晴れる、みたいな。
ーー確かに。松本さんの歌詞は“今日が雨降りでも明日晴れれば大丈夫”と言ってくれているものが多いですけど、今までは雨の降っている場所に立っていたのに対し、今回は、晴れた場所にいますよね。
松本:まさにその「晴れた場所にいる人物」というのが、僕たちリュックと添い寝ごはんのイメージで。今回の曲は、「晴れたところにいたけど雨になって、でもいつか晴れるから」という曲なんですけど、3月にミニアルバムをリリースして、コロナで1回(バンドの活動が)止まっちゃって、これからメジャーデビューで……という意味合いにもなっているというか。このコロナの期間に作ったからこそ、こういう歌詞が出てきたんだと思います。
ーーあと、松本さんってサビへの執着が薄い気がするんですよ。「サビでドーンと盛り上がらなければならない」みたいな無意識のルールに縛られていないというか。
松本:日本の音楽ってサビでドーンと行くのが主流だと思うんですけど、サビよりもAメロの方に耳に残るフレーズができちゃうときもあるので。最近は「サビだからこうして」みたいなことを考えながら作ってはいないです。
ーーメロディに素直な組み方をしているということですよね。「Aメロで良いメロディが出てきた」「じゃあBメロ終わってもサビに行かず、もう一度Aメロに行こう」みたいな。
松本:はい、そうですね。
ーーでもその感覚はちょっと興味深いです。
松本:そうなんだ……。でも、これはいろいろなアーティストさんからの影響もあると思います。昭和の音楽や洋楽もサビでドーン来るかと言われたら、そうではないし。それこそ、never young beachさんも曲全体を通してすごくゆったりしているし、そこへの憧れもあります。
ーーあと、先ほどから「昭和」というワードが頻繁に出てきますね。
松本:そもそも「あたらしい朝」は「ネオ昭和」というテーマで作った曲なんですよ。メロディが結構懐かしい感じになったので、歌詞にも昭和の言葉を入れたいなということで、今回入れてみました。
ーー〈冷コー〉というワードですよね。
松本:はい、今じゃ全然使わないですよね。僕らは平成生まれといっても、令和に近い方の平成生まれなんですよ。だから昭和への憧れみたいなものは強いというか、無意識的にあるんですよね。高校1年生のときに高校3年生がめちゃくちゃカッコよく見える、みたいな感じの憧れがあります(笑)。音楽も、昭和の曲はどれも廃れていないというか。歌詞も素敵ですよね。ですます調だったり、「~なのよ」みたいな言葉遣いがすごい素敵だなって思ってます。
ーー奥ゆかしさみたいなところに惹かれているんですかね?
松本:何に惹かれているかって、はっきりとは言いづらいんですけど……。やさしくもあり、「頑張れよ!」みたいな感じでもなく、淡々とした日常を描いているような音楽がすごく温かいというか。例えば、はっぴいえんどさんの曲も、ユーミン(松任谷由実)さんの曲も、寄り添ってくれているなあと感じます。音楽以外でも、昭和の字体・フォントもすごくかわいいなって思いますし。
ーーかわいいんですか。
松本:はい。
ーーその感覚は3人で共有している感じ?
堂免:そうですね、たぶん。
宮澤:字体に対する「かわいい」は結構一致します。あと、色味も。くすみ系の色はかわいいですね。そういう色味やレトロなフォントをグッズにも取り入れたいねって結構話したりしています。
ーー直情的に訴えかけてくるものよりも、じんわり温かみのあるものが好き、みたいな感覚があるのかもしれないですね。で、それがバンドの音にも表れている気がします。
宮澤:あ~、そうですね。
松本、堂免:(頷く)
ーー話を聞いた感じだと、おそらくバンド内で共有できている美的感覚があって、面白いですよね。みなさんは今、メジャーデビュー作にあたる1stフルアルバム『neo neo』の制作期間中かと思いますが、そもそもフルアルバムを作るのが初めてなんですよね。
宮澤:そうですね、初めてです。
松本:楽しいがほとんどで、大変なときも少しあったり、という感じですね。
宮澤:同じく、楽しくやれています!
堂免:楽しいです!
ーー今言える範囲で、どういうアルバムになりそうか教えていただけますか?
堂免:冬に出すのに夏っぽい曲がたくさん入ってます。
宮澤:野外をイメージして曲を作ったからじゃないかなって(笑)。
松本:『neo neo』というタイトルは、「新しい自分たちのやりたいこと・音楽をこのアルバムに集結させました」という意思表示というか。新しい僕たちの曲がたくさん詰まったアルバムになるので楽しみにしていてほしいですね。
■先行リリース情報
リュックと添い寝ごはん「あたらしい朝」
配信中 ダウンロードはこちら
■アルバム情報
リュックと添い寝ごはん
1stフルアルバム『neo neo』
2020年12月9日(水)発売
○完全生産限定“メジャーデビュー記念盤”<CD+DVD+Tシャツ購入券(購入サイトURL)> ¥2,900+税
○通常盤<CD> ¥2,400+税
<CD収録内容>
「あたらしい朝」「生活」ほか。
(詳細は後日発表)
<完全生産限定“メジャーデビュー記念盤”特典内容>
・スペシャルDVD「neo neo disc」
8月26日に無観客配信で開催されメジャーデビュー発表も行った初のワンマンライブの模様や、レコーディグ&MV撮影のオフショット、撮り下ろし企画映像「ネオトーク」が収録。
・メジャーデビュー記念限定 Tシャツ購入券
<先着予約購入特典:対象店・特典内容>
・タワーレコード全国各店・タワーレコード オンライン:
直筆「落書き入り」ポストカード(期間限定)
※10月31日(日)23:59までの予約者が対象。
・Amazon.co.jp:オリジナルステッカー
■ツアー情報
12月15日(火)名古屋・アポロベイス
12月17日(木)大阪・シャングリラ
12月23日(水)東京・WWW
チケット料金:2,500円(税込)※各会場ドリンク代別途必要
<最速オフィシャル先行詳細>
受付期間:10月3日(土)10:00~10月11日(日)23:59
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