ソロアーティスト 泣き虫、ネットを介して広まる人気 多くの人の心を掴む歌声と音楽性の幅広さ

泣き虫、ネットを介して広まる人気

 ここまで来たらせっかくなので、現在YouTubeやストリーミングサービスにアップされている泣き虫の楽曲を全て紹介しておこう。

 Apple Musicで海外人気も高かった「夢遊。」は、魔法めいたメロディラインと独創的な言葉を持つ楽曲だ。

泣き虫 - 夢遊。(Official Music Video - Full Size)

 真夜中過ぎの深遠なるグルーヴ感。ゆらりゆらりとたゆたう、フィッシュマンズ的世界観を思い出したナンバー「寝れない電話のうた。」(2019年10月2日発表のミニアルバム『盲目。』収録曲)。それでもテクスチャーは完全に2020年なのが、泣き虫たる所以だ。“寝落ち通話”を題材にしたこの歌は胸に柔らかに響く。

泣き虫 - 寝れない電話のうた。

 どの曲も切なく狂おしいのだけれども、泣き虫本人の声には安心感、優しさがあるのが特徴的だ。

 すでに今年もあと4カ月を切ったなか、表現者として、生きる術を言葉と物語で伝えることのできるニューカマー、泣き虫。幅広い表現力を生かして次は一歩踏み出した新たな音楽性にも期待したい。

■ふくりゅう(音楽コンシェルジュ) 
Yahoo!ニュース、J-WAVE、NHK、Spotify、LINE MUSIC、AWA、ミュージックマガジンなどで書いたり喋ったり選曲したり考えたり。Spotifyで公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』を毎週火曜日更新で選曲中。
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