GO TO THE BEDS & PARADISES、それぞれの道へ進み誕生した新たなカラー WACK所属グループの特性を分析
WACKが新グループを結成するときは、オーディションなどで新しくメンバーを募集し加入させることが多い。過去に他グループに所属していたメンバーがいるとしても、基本的には1から新しいグループを立ち上げている。しかし2020年4月に結成されたGO TO THE BEDSとPARADISESの2組については結成のきっかけやメンバーが選ばれた方法も違う。その部分については異質なグループかもしれない。この2組はGANG PARADE(以下、ギャンパレ)が2つに分裂したことがきっかけで誕生した。そのため新グループでありながら、メンバーはWAggメンバーだったキラ・メイ以外はギャンパレメンバー。キャリアや実力があるメンバーばかりだ。
GO TO THE BEDSはクールな楽曲が多い。メンバーには歌唱力の高さが評価されているヤママチミキやココ・パーティン・ココ、キレッキレなダンスを踊るキャン・GP・マイカなどパフォーマンス力が高いメンバーが揃えられている。またグループのまとめ役になることが多いユメノユアや大人びたルックスのユイ・ガ・ドクソンもいてグループの印象作りをしているように見える。クールな楽曲をしっかりカッコよく表現するために選抜されたメンバーだ。デビュー曲の「Don't go to the bed」は重低音響くバンドサウンドと打ち込みが組み合わさったデジロック。これはギャンパレが活動初期から得意としていた音楽と近い。ギャンパレの延長戦上にある音楽ではあるが、それをさらにハードで激しいサウンドにアレンジしていて、アイドルというよりもボーカルユニットといった方がしっくりくるような編曲だ。
7月にリリースされた1stアルバム『GO TO THE BEDS』ではグループの方向性や個性を裏付ける楽曲が多い。「I don't say sentimental」では疾走感ある演奏とエフェクトのかかったエモーショナルなボーカルが印象的なロックナンバー。後半のギターソロも印象的でアイドルファン以外にも魅力が伝わる楽曲である。他にも「GO TO THE BEDS is my life」や「EGOIST」など疾走感ある激しい楽曲を軸にしつつ、一方でミドルテンポでメンバーの歌唱力の高さをより実感する「VILLAIN」や、打ち込みの音が印象的でEDMの影響を感じる「ROOM」や「GOROOVE」もあったりと音楽性は幅広い。とはいえ、やはりどの楽曲もクールである点は共通しているといえるだろう。ギャンパレの“カッコよさ”を引き継いでアップデートさせたグループがGO TO THE BEDSだ。