THE RAMPAGE「INVISIBLE LOVE」MVに溢れる表現力 官能的な歌とダンスが演出する楽曲の世界観

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE『INVISIBLE LOVE』

 16人組ダンス&ボーカルグループのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE(以下、THE RAMPAGE)が4月22日に2020年第2弾シングルとなる新曲「INVISIBLE LOVE」を発売した。

 同楽曲は、グループの表題曲初となるバラードで、女性に翻弄され恋愛に溺れていく姿を歌と演技とダンスで表現しており、官能的で憂いを帯びたメロディラインからは緊張感も感じられ、同曲の世界観は発売前からすでに高い評価を得ていた。グループは今年デビュー5周年を迎えるが、特に昨年からはJr. EXILE世代として大きく躍進を遂げており、6年に一度の祭典「LDH PERFECT YEAR」である2020年もすでに2枚目のシングルを発売するなど積極的に活動を行なってきた。

 グループの個性としてはこれまで圧倒的なストリート感や壮大な世界観が特徴的だったように、今年の第1弾シングル表題曲である「FULLMETAL TRIGGER」ではTHE RAMPAGEの強みでもある圧倒的な迫力と存在感をアピールし、持ち前の勢いの良さを見せつけたが、今回の新曲「INVISIBLE LOVE」では従来のグループのイメージとは大幅に変わり、大人の恋愛をテーマに比較的メンバーの実年齢からは背伸びしたようなセクシーなパフォーマンスに挑戦したことでもTHE RAMPAGEの新たな魅力を発揮し、“踊れるバラード”としてグループとしての新境地を開いた。ラブバラードといえば、EXILEの名曲「ただ…逢いたくて」や「Lovers Again」などをはじめ、EXILE TRIBEの先輩グループもハイレベルなパフォーマンスでファンの心を掴んできたジャンルであり、その点では今回の新曲はまさにLDHの伝統を受け継いだ王道のラブバラードとも言える。

 楽曲のタイトル「INVISIBLE LOVE」=“見えない愛”をテーマにした同曲は、届かない女性への愛に支配されている様子が妖艶さと儚さを演出し、とてもエモーショナルで追い詰められていく空気感がひしひしと伝わる楽曲に仕上がっている。歌詞の中では〈愛してくれよ〉と〈愛してしまった〉と切に嘆く主人公が見えない愛に翻弄され苦しんでいる様子が表現されており、楽曲の終盤にかけてどんどん想いが強くなっていくといったストーリー性をダンスと見事にリンクさせている。また、楽曲の中で登場する“君”に対して〈なぜ無性に愛してしまうの?〉と自問しながらもストレートに感情をぶつけるまっすぐなメッセージはこれまでのTHE RAMPAGEの楽曲と共通している部分でもあるが、一方でサウンド面ではゴツゴツとしたストリート感のある勢いが強かっただけに、これまでのイメージとはがらっと印象が変わったようにも感じる。スローテンポに合わせてエレクトロなサウンドが響くイントロが今にもその見えない愛から滑り落ちてしまいそうな主人公の気持ちを連想させ、RIKU、川村壱馬、吉野北人によるボーカルもストレートな歌詞をハイトーンのメロディラインでしっとりと繊細に歌い上げ、その緩急のついた表現力で楽曲の世界観を演出している。

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