Arca、Yves Tumor、J.A.K.A.M.、DJ KRUSH……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜9選
オーストラリアはシドニー出身、現在はロンドンで活動するプロデューサー/ビートメイカー、スティーヴ・スペイセック(Steve Spacek)の3作目『Houses』(Black Focus/Beat)は、黒光りする激渋のフューチャージャズ~ファンク~ディープハウスで最高です。ビートメイクからボーカル録音までiPhoneとiPadで作られたそうですが、録音も申し分なく、バイナルでじっくり聴きたくなります。レーベル公式サイトはこちら。
スウェーデンのベテラン、アリル・ブリッカ(Aril Brikha)の新作『Dance of a Trillion Stars』は日本のレーベル<Mule Musiq>から。デトロイトテクノから発し、ニューエイジやプログレッシブ、アンビエント~ドローンまでを包含した、繊細でメランコリックで俳句のように簡潔で無駄がないサウンドを展開しています。積み重ねた年期の確かさを感じる、幽玄の世界。
LA出身ベルリン在住のフエルタ(Huerta)ことスティーヴ・フエルタの初アルバムが『Junipero』(Voyage Recordings)。ダビーでアンビエントなディープハウス~ダウンテンポエレクトロニカで、カリフォルニアの陽光煌めく木陰でまどろんでいるような絶妙のサウンドスケープが美しくセンス抜群。これから多方面で活躍しそうな品の良さと、柔らかさ、優しさで、いつまでも浸っていたくなります。