Hey! Say! JUMP、『I am / Muah Muah』が大差で首位に グループとしての柔軟で変幻自在な魅力を紐解く

 そしてカップリング曲も魅力的。ビッグバンド調のジャジーなテイストが織り込まれた情熱的な「クランメリア」は、彼らの大人な世界観が楽しめる。途中で挟まれる各楽器のソロプレイがなんとも粋だ。また、ハウス調の「ときめきは嘘じゃない」も面白い。これまでの楽曲が良くも悪くもJ-POP的だとすれば、この曲のバックトラックは海外のダンスミュージックを彷彿とさせる洗練されたEDM。〈だから踊ってよ 君らしく〉のリフレインが印象的である。

 本作を通して聴いて感じるのは、Hey! Say! JUMPというグループの器の大きさだ。世のダンスボーカルグループを見渡したとき、その多くが“路線”や“カラー”を意識し過ぎて、作品の幅が狭くなりがちである。今の時代、あるひとつの路線でなければ付いてこないファンも少ないだろう。それに対して彼らは、どんな楽曲にも馴染むことができる柔軟で変幻自在な魅力を持っている。どんな楽曲にも対応出来る、そのフレキシブルなアイコン性・人間力こそ、彼らの本当の魅力なのではないだろうか。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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