iKON、THE BOYZ、AB6IX、PENTAGON……“カムバックラッシュ”から良作をピックアップ

メンバーそれぞれのソロ曲を収録したAB6IX『5NALLY』

AB6IX (에이비식스) 김동현 (KIM DONG HYUN) '더 더 (MORE)' M/V

 Wanna One出身のメンバー、パク・ウジン、イ・デフィが所属するAB6IX。ヒップホップレーベルである<BRANDNEW MUSIC>が手がけた初のボーイズグループだ。自らプロデュースし楽曲を手がける“自作曲ドル”でもある。デビューして1年にもかかわらず、すでにワールドツアーも決まっており、これからの活躍が期待されるところだ。

 2月13日にリリースしたデジタルEP『5NALLY』は、AB6IXのメンバーそれぞれのソロ曲を収録した今までとは違う形態だ。グループ名義でリリースながらも、中身はソロ曲というのは珍しい。ファンにとっては各自の魅力を楽しめる、サプライズ的な作品にはなっただろう。

 各自のMVは3月12日まで約1カ月をかけて徐々に公開されていくことになっている。リリース後にMVが公開されるという形も異例だ。すでにメンバー、ジョンウンの「MOONDANCE」とキム・ドンヒョンの「MORE」、イ・デフィの「ROSE, SCENT, KISS」が公開されている。「MORE」はピンクのスーツを着たドンヒョンが大人っぽく歌い、踊り、ラップを披露。それぞれがソロで通用する才能を持っているのがAB6IXの魅力なのかもしれない。

“愛の束縛”テーマのリード曲に注目、PENTAGON『UNIVERSE : THE BLACK HALL』

펜타곤(PENTAGON) - 'Dr. 베베(Dr. BeBe)' Official Music Video

 2020年に入り、今年でデビュー5年目を迎えるPENTAGON。2月18日に満を持してリリースされた初フルアルバム『UNIVERSE : THE BLACK HALL』は、自分たちのファンダム名(UNIVERSE)をタイトルにした。2016年に『PENTAGON』でデビューした彼らの集大成となり、日本でリリースされた「HAPPINESS」の韓国語バージョンなどのスペシャルトラックを含めた、全11曲が収録されている。

 今回のPENTAGONはリード曲「Dr. BeBe」で勝負をしてきた。「SHINE」「Naughty Boy」「Humph!」などのここ数年の明るくポップな彼らとは全く違う、ダークでヘヴィな姿を見せている。彼らの中にもともとあった要素を2年の間に育ませ、ここで大きく爆発させたような気合を感じる作品だ。今回もメンバーであるフイの作品だが、前回の「Humph!」とは全く違う世界観を作り上げる、彼の底知れない作曲才能垣間見ることができる。

 「Dr.BeBe」は“Love, Fall, Hurt & Crazy(愛して、落ちて、傷ついて、そして狂う)”の4つの感情から成り立つ、“愛の束縛”がテーマになっており、MVには愛の感情により傷つき狂っていく様が描かれている。狂気すら感じる姿は、「SHINE」で見せた可愛らしさとは正反対だ。彼らの魅力はこの大きなギャップだろう。彼らにしか表現できない、愛に溺れて狂っていくPENTAGONの姿を、この「Dr.BeBe」で発見してほしい。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる