矢野顕子×上妻宏光による“やのとあがつま”、異ジャンルの2人が届ける伝統と革新の融合

矢野顕子×上妻宏光による“やのとあがつま”、異ジャンルの2人が届ける伝統と革新の融合

 シンガーソングライターの矢野顕子、津軽三味線奏者の上妻宏光によるコラボユニット“やのとあがつま”が始動。3月4日に1stアルバム『Asteroid and Butterfly』をリリースする。

 矢野、上妻が出会ったのは、2013年6月。ニューヨークで開催された和太鼓奏者のライブに上妻が出演した際に、その公演を観ていた矢野と言葉を交わした(矢野は上妻に「声がいい。もっともっと歌うべき」と進言した)のがきっかけだ。その後、日本やアメリカで共演を重ね、親交を深めた両者。上妻は矢野のアルバム『ふたりぼっちで行こう』(2018年)にも参加、「Rose Garden」(矢野のアルバム『ただいま。』収録)をピアノ、津軽三味線でセッションしている。

 民謡をモチーフにしながら、ジャズ、エレクトロなどのテイストを融合させ、日本発の新しい音楽を世界に届けるというコンセプトから始まったやのとあがつまの最初の楽曲は、先行配信された「おてもやん」。原曲は、笠置シヅ子、江利チエミ、石川さゆり、氷川きよしなども歌唱した熊本民謡で、肥後娘のことを歌ったお座敷唄という説が強い。

やのとあがつま – おてもやん (OFFICIAL TRAILER)

 やのとあがつまによる「おてもやん」は、上妻の津軽三味線、矢野のキーボードを軸にしながら、エレクトロ系のトラック、浮遊感のあるシンセサウンドなどを加えることで、レトロフューチャー的な音像に結び付けている。2番は、矢野によるオリジナルの英語詞。男性を小惑星(Asteroid)、女性を蝶(Butterfly)にたとえ、相容れない関係を描いたこの歌詞は、アルバムのタイトル(『Asteroid and Butterfly』)にも反映されている。昭和初期に書かれた民謡と最新の技術を活かしたトラックを組み合わせ、矢野、上妻の高い演奏技術と独創的なセンスをたっぷりと体感できる「おてもやん」は、このユニットが目指す音楽観を端的に示していると言っていい。

 1月末に公開された「おてもやん」のMVも話題だ。このMVの主人公は、“やのとあがつま”ではなく、2台のロボットアーム。日本家屋のなかで、ごはんやお味噌汁をよそい、三味線を弾き、扇子を持って踊るロボットアームの美しい所作を映すこのMVは、まさに日本の伝統と最新のテクノロジーの融合であり、そのコンセプトは“やのとあがつま”の在り方にも直結している。MVのディレクションはいしいこうたで、撮影は高木孝一。U-zhaan & Ryuichi Sakamoto feat. 環ROY × 鎮座DOPENESSの「エナジー風呂」、長谷川白紙の「毒」のMVなども手がけているクリエイターチーム・HOEDOWNのクリエイターだ。

 また2月1日にオンエアされた『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)に、やのとあがつまが出演。「おてもやん」のほか、富山県民謡の「こきりこ節」(竹の打楽器の音をシンセと生楽器で表現)、宮城県民謡の「斎太郎節」(1番、2番を上妻が歌い、3番からは矢野の歌が加わる構成)、さらに「友達に“誰でも歌える曲があってもいいんじゃない?”と言われて作りました」(矢野)というオリジナル曲「いけるかも」を演奏。作曲家/シンセサイザー奏者の深澤秀行も参加し、津軽三味線、ピアノ、エレクトロサウンドが一体となった刺激的なパフォーマンスを繰り広げ、放送中から注目を集めた。

やのとあがつま – こきりこ節 (Audio Video)
やのとあがつま – いけるかも (Audio Video)

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