The 1975、アルバム『Notes On a Conditional Form』へ寄せる期待 先行配信曲から感じたバンドの底知れなさ
今まで、4月24日リリースの新アルバム『Notes On a Conditional Form』から3曲を先行配信してきたThe 1975。それらはアクティビストのスピーチをフィーチャーしたものや、ポストパンク、UKガラージと、どれも異なる音楽性の楽曲であった。そして、1月16日リリースの新曲「Me & You Together Song」でまたも他の先行配信楽曲とは異なる一面を見せつけた。
同アルバムは前作『A Brief Inquiry Into Online Relationships(ネット上の人間関係についての簡単な調査)』との連作となっており、2作品で「Music For Cars」と称している。「Music For Cars」は、2013年に彼らがリリースした同名EPとはまた異なり、連作2作がリリースされた時期を意味する言葉なのだという。「Music For Cars」=「車の中で聴く音楽」が表しているのは、UKガラージやパンク、インダストリアル、ギターポップなど、彼らがバーなどに行けなかった思春期の頃に車の中でひたすら聴いていたような、ルーツとなる音楽を自分自身で再現するような作品であるということだ。そして、以前から、3部作(『THE 1975』、『I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it(君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。)』、今作と『A Brief Inquiry Into Online Relationships』から成る「Music For Cars」)でThe 1975の一つの時代を終えるとフロントマンのマシュー・ヒーリーは言及しており、『Notes On A Conditional Form』で「Music For Cars」の完結とともにバンドとしても区切りを迎えることとなる。
これらのことからバンドとして最も重要な作品となると言っても過言ではない『Notes On a Conditional Form』。同作への期待を込め、先行楽曲はいったいどのような楽曲であったかを振り返る。
「Me & You Together Song」……原点回帰のギターポップ
先日先行配信された楽曲「Me & You Together Song」はThe 1975初期や、前身バンドでありThe 1975とは別のプロジェクトでもあるDrive Like I Doを思わせる、純粋な恋心を綴ったくすぐったくなるようなギターポップ。楽曲に関して、マシュー・ヒーリー自身も各メディアやSNSでDrive Like I Doのような曲と言及している。また、同シングルのメインビジュアルはThe Smiths、Radiohead、Sonic Youth、Joy Divisionなど彼らが影響を受けたであろうロックミュージシャンのポスターが印象的で、彼らが少年の頃に戻ったようなバンドの原点回帰を思わせる。