『ラブライブ!』がファンと紡ぐ“みんなで叶える物語” μ’sからAqours、ニジガクらへ受け継がれるスクールアイドルの輝き
最後に登場したのは、誰もが再会を待ち望んでいた伝説のスクールアイドル・μ’s。デビュー曲「僕らのLIVE 君とのLIFE」の印象的なギターが鳴り始めると、メンバーのシルエットが浮かび上がる。彼女たちの以前より落ち着いた面持ちには、4年間の時間の流れに気づかされながらも、あの頃とリンクする懐かしい想いに自ずとさせられた。
そこから「No brand girls」「ユメノトビラ」など、TVアニメシリーズの楽曲をメドレー形式で披露。ここではダンスパフォーマンスを挟みながらも、フロートで会場中を旋回していたことからは、ファンと再会できた喜びをたっぷりと分かち合おうという姿勢を汲み取ることができた。その間にも、たとえ全員でのダンスが指定されていない部分でも、ふとした瞬間に何気なく振り付けを挟み込む様子には、μ’sとして歩んできた時間の長さをじんわりと実感させられた。
そんなスクールアイドルの祭典を締めくくるには、代表曲のひとつ「Snow halation」こそ相応しい。曲中では、メンバーがセンターステージの端に広がり、客席の声援に応えるように気持ちの高ぶりをパフォーマンスで表現する。そして落ちサビでは、新田のソロパートで、会場中が彼女のメンバーカラーである鮮やかなオレンジ一色に。4年前までと同じエモーショナルな光景を前に、さすがにメンバーもぐっと涙が込み上げてきたのだろう。終盤には、キャラクターのみならずメンバー個人としての想いも、その歌声により強く重ねられていた。
憧れのμ’sのステージを受けて、万感の想いだったのがAqours・伊波杏樹(高海千歌役)だ。最後にコメントを求められた際に「あの、はい、あの……『ラブライブ!』大好きです……」と思わず声を詰まらせた瞬間は、当日の成功を裏付けるようだった。そんなイベントが叶ったのも、先程の伊波の言葉が示す通り、キャストとファンの誰もが『ラブライブ!』を愛し続けてきたからに違いない。
スクールアイドルの活動には、“永遠”が担保されていない。しかし、誰もが『ラブライブ!』を愛する心を持っていれば、彼女たちと過ごす時間は“無限”に輝き続ける。μ’sとの再会が実現したように、“好きなもの好き”だと肯定する想いは、きっとどこかで報われるはずだ。なぜならこれは、“みんなで叶える物語”なのだから。