三浦大知、「I’m Here」サウンド面に注目 自然な移ろいが表現する“みずみずしい生気”

 そんなUTAが近年、もっとも密にセッションしていると思われる人物が三浦大知だ。早いもので、もう10年以上もコンスタントにコンビを組んでいるわけだが、楽曲の品質は衰えるどころか、ボーカルとサウンドが織りなす波長とともに年々精密さを増しているのだから感動を禁じ得ない。大知もまた、どんな曲調でも颯爽と乗りこなし、あっという間に会得する稀代のミュージシャン。おそらく、どこかのタイミングで両者のマインドは完全に同化し、今となっては全く等しいベクトルで切磋琢磨できているのだろう。でなければ、「I’m Here」「COLORLESS」のようなあまりに繊細で、一途な意志を内包した楽曲はきっと生まれやしないのだ。

 彼らの詳細な功績については、枚挙にいとまがないため別の機会での言及に持ち越すとして、現時点で確かなのは、三浦大知がこのシングルで、またしても大勢のファンを獲得してしまう、ということだ。リリースされたばかりではある。が、決してハッタリなどではない。大知とUTA、互いの凄さを理解し合う二人だからこそ生まれ得た作品なのだから、その反響の行方など、初めから決まっているも同然なのである。

■白原ケンイチ
日本のR&B作品をはじめ、新旧問わず良質な歌ものが大好物の音楽ライター。当該ジャンルを取り上げるサイトの運営、コンピレーションCDのプロデュース、イベント主催の経験などを経て、現在はささやかに音楽ライフを満喫する日々。Twitter

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