植田真梨恵、思いの丈をぶつけた5周年記念ワンマン お台場の夜を彩ったパワフルな歌声
バンドメンバーのソロパートを挟み、衣装をチェンジして再登場した植田は、白いセットアップに花冠、そしてツインテールという、童話の中の少女のような出で立ち。湧き立つ観客の興奮が冷めないまま、「Stranger」、そして新曲の「WHAT’s」へ。バックスクリーンには色とりどりのインクを使った、鮮やかなリキッドアートが映し出される。
この日のライブタイトルを表すような美しいマーブル模様が、ステージを幻想的な空間へと変える。「REVOLVER」「わかんないのはいやだ」「ふれたら消えてしまう」「夢のパレード」と人気曲が続き、客席の熱も高まる。新曲の「I JUST WANNA BE A STAR」では銀テープが宙を舞い、この日最高潮の盛り上がりを見せた。時折辛そうに声を振り絞っていた植田は、最後のフレーズを歌い終えると、全てを出し切ったようにステージに倒れ込んだ。そして本編ラストはメジャーデビューシングル、「彼に守ってほしい10のこと」。「皆さんがいるから、この歌を歌うことができます」と、今日集まったファンへの感謝の言葉から始まったこの曲を、植田は囁くような優しい声で歌いあげる。まるでファンに向けたラブソングのようだ。甘く朗らかなムードで本編は幕を閉じた。
アンコールは、異国ムードの漂う「中華街へ行きましょう」からスタート。この日限定企画のマーブル模様の手作りフラッグが、客席のあちこちで掲げられた。後のMCで「今日のテーマはワクワクを詰め込んだライブ」と植田が明かした通り、ワクワク感たっぷりの楽しい時間となった。
さらに、2020年1月26日にはメルパルクホール大阪で、2月9日にはヒューリックホール東京で『LIVE of LAZWARD PIANO "Academic!"』と題したワンマンライブを開催するという嬉しいお知らせも。来年の活動への期待も高まり、会場は大きな拍手に包まれた。そして「僕の夢」を歌う前には、メジャーデビューを諦めかけた時期のことや、歌手という職業への想いを語った。植田の感情に思いを馳せ、静まった会場に響くのは、優しいピアノの音と切ない歌声。ズボンのポケットに片手を突っ込んで歌う姿は、少し頼りない子どものようにも見えた。
「皆さんの明日も、素晴らしい日々になりますように」。そんな優しい言葉をきっかけに、この日のラストを飾る「変革の気、蜂蜜の夕陽」が始まった。力強く、時にはマイクへ声を叩きつけるようにしゃがみ込んで歌う植田の姿は、この日集まった観客全員の目に焼き付いたことだろう。全24曲を全力で歌い上げた植田への惜しみない拍手と共に、最高の一夜は幕を閉じた。
(取材・文=南明歩/写真=山口渚、小杉歩)
■セットリスト
01. 旋回呪文 (from indies AL『センチメンタルなリズム』)
02. 流れ星 (from indies AL『葬るリキッドルーム』)
03. 壊して (from indies AL『センチメンタルなリズム』)
04. RRRRR (from indies AL『葬るリキッドルーム』)
05. 泣いてない (from AL『はなしはそれからだ』)
06. ミルキー (from indies AL『センチメンタルなリズム』)
07. ナビゲーション (from indies AL『退屈なコッペリア』)
08. メリーゴーランド (from indies AL『センチメンタルなリズム』)
09. 心と体 (from indies Sg『心/ S /サ』)
10. kitsch (from indies AL『U.M.E.』)
11. FAR (from AL『F.A.R.』)
12. Bloomin’ (from AL『W.A.H.』)
13. Stranger (Digital Single)
14. WHAT’s (新曲)
15. REVOLVER (7th Sg『REVOLVER』)
16. S・O・S (from indies Sg『心/ S /サ』)
17. わかんないのはいやだ (3rd Sg『わかんないのはいやだ』)
18. ふれたら消えてしまう (5th Sg『ふれたら消えてしまう』)
19. 夢のパレード (6th Sg『夢のパレード』)
20. I JUST WANNA BE A STAR (新曲)
21. 彼に守ってほしい10のこと (1st Sg『彼に守ってほしい10のこと』)
EN 1. 中華街へ行きましょう (from indies AL『U.M.E.』)
EN 2. 僕の夢 (from AL『ロンリーナイト マジックスペル』)
EN 3. 変革の気、蜂蜜の夕陽 (from indies AL『センチメンタルなリズム』)
BAND…車谷啓介(Dr)、麻井寛史(Ba)、西村広文(Key)、岩井勇一郎(Gt)、KEI(Gt)