“大人数グループ”はなぜ韓国で発展を遂げた? SUPER JUNIOR、IZ*ONEら誕生背景から考察
大人数グループのメリット/デメリットは?
大人数グループは、
①メンバーのバリエーションや人数が多い分、物理的にファンドム規模も大きくなる(はず)
②大人数ならではの迫力のあるパフォーマンスが可能
③グループ内ユニットの可能性
④人数が多い分、お互いの足りない部分を補い合いやすい
⑤メンバーの休養や脱退があったとしても少人数よりは埋め合わせやすい
等のメリットが考えられるが、一方で、
①メンバーの数が多い分パフォーマンス内での見せ場が減りやすく、個人が埋没しやすい
②よって個人メンバー間で格差も出やすい
③練習生時代からデビュー後まで、衣食住を事務所が負担する韓国の練習生システムでは人数が多いほど事務所の金銭的負担が大きい
等のデメリットも考えられる。実際、韓国のアイドルグループはその時々の人気グループのトレンドを反映しやすいため、「101人から1/10の確率で選ばれる」というシステムがベースにある『PRODUCE 101』シリーズ関連以外では、2017年ごろから現在までグループの人数は女子は4人前後、男子は5〜7人が最も多い人気グループのパターンに落ち着いてきているようだ。
しかし、大人数グループには「多様性を見せやすい」という利点もある。2017年にデビューしたNow Unitedは、過去にSpice Girlsなどのプロデュースをしてきた『アメリカン・アイドル』のプロデューサーが作ったグループで、北米〜ヨーロッパをベースに活動しているが、14カ国の異なる国籍を持つ14人のメンバーが所属する、「多様性」を体現したようなグループだ。日本でも、母体グループであるEXILEは加入と引退を繰り返して新陳代謝していくように進化したLDHで2014年から活動しているTHE RAMPAGEは16人という大所帯だが、様々なルーツを持つメンバーが在籍しており、特にライブステージにおいてその「大人数ならでは」の特性が発揮されている。
時流によって変化しやすいのがアイドルのグループシステムではあるが、大人数でしかできないパフォーマンスのダイナミズムや、選択肢の多様化によってファンが「自分だけの推し」を見つけやすいという利点は大きい。また、お互い補い合うことで個人の能力以上のポテンシャルを発揮できるのが「グループアイドル」というものだとしたら、人数は多い方がそのケミストリーを生む確率が高いとも言えるのではないだろうか。
■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
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