K-POP第5世代の新鋭グループ RESCENE 今春デビューから現在までの怒涛の日々を振り返る
毎年多くの個性派・実力派が登場するK-POPシーンだが、ここ数年は特にガールズグループ同士の競争が激しい印象が強い。それぞれが他とは違う独自の個性を発揮しようと日々努力する中、今年3月に現地でデビューした女性5人組・RESCENE(リセンヌ)の場合は、様々な特色を無理なく取り込んだ“バランスの良さ”をセールスポイントにしているところが新鮮に映る。
ビジュアルの良さやダンスの完成度の高さはもちろん、ハイクオリティな楽曲をナチュラルに歌いこなす力量や、各メンバーのキャラクターがスムーズに溶け合うスタイルは、実はあまり多くはない。日本初の公式イベント(12月7日、東京・港区のRED° TOKYO TOWER)のために来日した彼女たちに、そのようなグループの持ち味をはじめ、結成から現在までの思い、未来への期待などを聞いた。(まつもとたくお)
メンバーそれぞれがアーティストを目指した理由
ーー結成からデビューまではどのように進んでいったのでしょうか?
MINAMI:それぞれオーディションやスカウトを経て現在の事務所に入りました。私たちは他のK-POPグループと比べて練習生としての期間が短いんです。短いメンバーは2カ月、4カ月ほど。私がいちばん長くて1年半。そして今年3月に正式デビューしました。
ーーMINAMIさんの場合はオーディション番組『放課後のときめき』(2021年〜2022年放送)に参加した経験がありますよね。他のメンバーもそれなりのキャリアがあると聞いています。
MINAMI:はい、そうですね。ある程度キャリアを積んできたメンバーばかりです。
ーーWONIさんが最年長でグループのリーダーですね。
WONI: 頼もしいお姉さんとして、悩みや相談したいことがあれば、いつでもちゃんと聞いてあげたい。普段からそんな風に思っています。
ーーLIVさんは水原(スウォン)の実用音楽院兼ダンス学校に通っていたそうですが、かなり有名なところだったそうですね。当初はプロのダンサーを夢見ていたのでしょうか。
LIV:はい。でも練習を続けていくうちにアイドルをやりたくなって、他にもいろいろなところに通うようになりました。
ーーMINAMIさんは韓国での生活が長かっただけに、プロデビューが決まったときは感慨深かったのではないでしょうか。
MINAMI:そうですね。中学校の時から韓国でひとり暮らしをしていたので、RESCENEで芸能界に入ることができたのは本当に嬉しかったです。デビューが決まったときは、泣きながら母に電話して「ありがとう」と、感謝の気持ちを伝えました。
ーー事務所の代表を務める元アーティストのイ・ジュヒョンさんが、直接スカウトしに日本へ来たそうですね。
MINAMI:はい、そうです。『放課後のときめき』ではファイナルで脱落してしまったんですけど、その後、ジュヒョンさんから誘いの電話がありました。初めて聞いた会社名だったので、正直なところ「大丈夫かな?」と心配しました(笑)。連絡してくださったときは日本に戻っていたんですけれども、代表は「今日本にいるんだけど、直接会って話をしよう」と。その言葉を聞いて感激したことを今でも覚えています。
ーーMAYさんは中学校時代にダンス部で活躍するなど、かなり早い時期から芸能界に関心があったようですね。
MAY:子供の頃から音楽、特にK-POPに興味があったので、サークル活動を通じてアイドルを目指していました。
ーーZENAさんはプレミアムダンススタジオ所属のダンサーとして活動していたと聞いています。
ZENA:はい。YouTubeの公式サイトに200万人近くの人が登録するほど有名なスタジオなんです。そこで私はダンサーとしてがんばってきました。でもアイドルになれば、さらにいろいろな方面で活躍できると思ったので、今の事務所に入りました。
ーーRESCENEというグループ名には「人々の心の中に長く残る音楽的な香りを届けたい」という抱負が込められているそうですね。みなさんが最初にいい香りのするサウンドだな、いい歌だなと思った曲、もしくはアーティストは誰だったのでしょうか。
LIV:私がプロになる前に憧れていたのは、ガールズグループのGFRIENDです。練習生時代はIUさんの歌をよく聴いていました。サウンド的にもバラエティに富んでいるし、生き方や音楽家としての姿も尊敬しています。
ZENA:BLACKPINKが大好きです。私にとってのロールモデルは、JENNIEさんですね。
WONI:私はaespaのKARINAさんです。彼女はビジュアルの美しさに加えて、アイドルとしての力も十分にあるし、キャラクター的にも好感度が高いですよね。立ち振る舞いを見ても学べるところがたくさんあります。
MINAMI:最初はTWICEの曲が大好きでよく聴いていました。このようなアーティストになりたいと思ったのは、チョンハさん。何でもできてカリスマ性もある。しかも礼儀正しくて人格者ですよね。
ーーチョンハさんもMINAMIさんと同じくオーディション番組の出身ですね。
MINAMI:そうなんですよ。私もそれを知ってからオーディション番組に興味を持つようになりました。「サバイバルオーディション番組に参加したい!」と思うきっかけを作ってくれたのが、チョンハさんなんです。
MAY:私はイ・ヒョリさん。私の家族は全員、彼女の大ファンなんです。
ーーWONIさんは慶尚南道(キョンサンナムド)の巨済(コジェ)のご出身だそうですね。MINAMIさんと同じく、ジュヒョンさんが直接現地入りしてスカウトしたと聞きました。
WONI:はい。ソウルから遠く離れた場所にわざわざ来てくださったんです。でも、私の母は心配していました。聞いたことがない会社だったから(笑)。
MINAMI:私とまるっきり同じですね(笑)。
WONI:音楽好きのお父さんにも相談したら、「未来がある話なので、迷わずにソウルへ行きなさい」と勧めてくれて……。それで今の自分があるという感じです。