阿部真央が“唄”に乗せて届ける明日への活力 8年ぶり日比谷野音ワンマンレポ

阿部真央が“唄”に乗せて届ける明日への活力 8年ぶり日比谷野音ワンマンレポ

 阿部真央が8月31日、日比谷野外音楽堂にて『阿部真央らいぶ 夏の陣~2019~』と称したワンマンライブを開催した。今年、デビュー10周年を迎えた彼女が日比谷野音のステージに立つのは8年ぶり。そんな記念すべき日を見届けようと多くのファンが集まり、会場は立ち見席まで満員となった。

 今回のライブでは、デビュー曲から最新曲までをバランスよく披露するセットリストが組まれていた。また、8月最終日の野外ライブということもあり、サマーソングが多く演奏されていたのも印象的だ。

 1曲目の「逝きそうなヒーローと糠に釘男」のイントロが流れ、ファンに手拍子で迎えられると阿部真央がステージに登場。会場から大きな歓声が上がった。この日は曇り空だったが、それを吹き飛ばすような熱いロックナンバーでライブは爆発的にスタート。続いて演奏された「モットー。」では、観客がサビ前の〈違うだろ?〉というフレーズを合唱し、会場全体のテンションが高まる。

 阿部真央の「みなさんこんばんは。来てくれてありがとうございます。会いたかったー!」という挨拶とかけ声でファンとのやりとりを終え、デビュー曲「ふりぃ」、続く「痛み」で観客の心を容赦無く揺さぶった。さらに、「走れ」では〈お前のその目は、足は、飾りじゃないんだろう?〉と実に彼女らしく一人ひとりに訴えかける。そして、「じゃあ、何故」の歌い出しサビがアカペラで歌われると、鳥肌が立つほどの圧倒的歌唱力に会場は静まり返った。

 MCを挟んで「この愛は救われない」「深夜高速」と報われない恋をテーマにした2曲を演奏。こんな風にデビューしてからの10年間、彼女は様々な角度からメッセージ性の強い歌詞を通して、多くの人の道筋を照らしてきたのだ。

 すっかり日が暮れ、辺りがステージのライトとビルの灯りだけになったライブ中盤。静かに奏でられたのは、阿部真央の代表曲「貴方の恋人になりたいのです」だ。〈この季節が過ぎる前に一緒に花火を見たいです〉という歌詞が、夏の終わりを感じさせる涼しい風と共に観客に届く。蝉の声も相まって、会場はエモーショナルな空気に包まれた。その後、ギターを置いた阿部真央はステージを歩きながら身体を揺らし、歌い上げたのは「傘」。妖艶な雰囲気のまま、岡崎体育がアレンジに参加したダンスミュージック「immorality」を演奏した。

 そして、NHKで放送中のドラマ10『これは経費で落ちません!』の主題歌で、8月21日にリリースされたばかりの新曲「どうしますか、あなたなら」を披露。歌詞のワンフレーズ〈どうしますか、あなたなら〉の、“あなた”の部分をドラマ主題歌バージョンの主人公“森若さん”に変えて歌うと、ライブは最高潮の盛り上がりをみせた。

 またこちらもタイアップ曲である、5月8日にリリースされた映画『チア男子!!』主題歌の「君の唄(キミノウタ)」とTVアニメ『消滅都市』オープニング主題歌「答」を続けて演奏し終えると、改めてバンドメンバーを紹介。阿部雅宏(Key)、西川進(Gt)、石井悠也(Dr)、高間有一(Ba)、和田健一郎(Gt)、前田雄吾(Mani)といった面々がこの日のライブを彩った。阿部真央がMC中、彼らにネタを振るなど、和やかな空気に会場も笑いに包まれる。そして、バンドメンバーも出演しているMVが話題となった「なんにもない今から」を演奏し、会場を一体となって盛り上げた。

 ライブもついに終盤。真夏の夜空に映える爽やかなナンバー「変わりたい唄」と本編のラストを飾った「ロンリー」では、観客全員がステージに手をかざし、想いが一つになる。盛り上がりそのままに、ステージは一旦幕を閉じた。

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