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尾崎由香、結城萌子……ミュージシャンとのコラボで引き出される新たなカラー 最新作より考察

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 ロック、ポップス、クラブミュージック、ボカロP、多様なフィールドから集められた作家が一堂に会し、一人の声優の音楽面を支える。いま声優音楽において、そういった豪華なプロデュースも珍しくなくなってきている。

尾崎由香『MIXED』

尾崎由香『MIXED』(通常盤)

 『けものフレンズ』を通じたどうぶつビスケッツ×PPPを含めた多岐に渡る活動で一気にブレイクを果たした尾崎由香の1stアルバム『MIXED』もまた豪華な面々が名を連ねている。後藤康二(ck510)、西寺郷太(NONA REEVES)、ミト(クラムボン)……様々なジャンルから選ばれたプロデュース陣を見てみると、今作は彼女の新たな側面を引き出すための作品であることが伺える。

 彼女と音楽の距離感を見てみると、ソロデビュー以降の彼女は「以前は聴く機会のあまり無かったジャンルの曲も、喰わず嫌いにならないようにミックスして聴くようにしてきた」(参照)と語るように、できるだけフラットな立場とリスニングを心がけていたようだ。

 今作における多彩な作家陣と楽曲は、そうした彼女の意向が十二分に反映されていると思える。語弊を恐れずに言えば、「これぞ尾崎由香の音楽!」といえるカラーを見つけ出す最中にあるからこそ、これだけの多彩さがあるのだと言えよう。

 今作に招集された作家陣のなかでも注目すべきは、沖井礼二(TWEEDEES)とミト(クラムボン)の二人。その名は、アニソン好きや声優音楽好きなマニアならばよくご存知であろう。ミトが書き下ろした「(you gave me…)My Brave Story」は、イントロのギターリフ、重なっていくバンドアンサンブルとギターサウンドの厚み、どことなくクールに歌われる尾崎の歌声が重なっていく。まるでLiSAや小松未可子を思い出させてくれそうな、声優ソング/アニソンファンにも聴き馴染みあるド真ん中なロックナンバーである。

[You Gave Me…] My Brave Story

 沖井礼二が手がけた「僕のタイムマシン」では、(作詞は清浦夏実との共作)。竹達彩奈に提供した「Sinfonia! Sinfonia!!! 」や彼が所属していたCymbalsでもお馴染みのベルの音/キーボード/コーラスワークで彩られたキュートでパンクロック的な8ビートのグルーヴを展開。掛彼にしか生み出せない沖井節が炸裂した楽曲となっている。

My Time Machine

 西寺郷太が提供した「恋のマメチシキ」では、西寺本人から「役を演じるように歌ってほしい」というディレクションを受け(参照)、台詞を語るように、それでいてラップフロウをするように、間を縫うように歌ってみせている。

Koi No Mamechishiki

 今作のアルバムジャケットでは、尾崎が様々な服に埋もれている。つまるところ、彼女は様々な服装を着こなしてみせようと今作でトライしているわけだ。そんな今作のタイトルは『MIXED』と名付けられているが、この言葉の反意語はPureである。尾崎はインタビューで「いつまでもピュアというイメージではいられないと思っていたので、いい意味でこの曲によって、そのイメージを卒業できたらおもしろいなと思っています」と語っている。“おざぴゅあ”という愛称で親しまれている彼女は、その純真さが多くの人に受け入れられていることを認識しつつも、自身にある様々な要素を形にして、“MIXED”された姿も受け入れてほしいという願いを今作に込めているのではないだろうか。(参照

 何よりも、今作における彼女のスタンスは、スタイルや楽曲に固執しないことに重きを置いている。もしもどこかのタイミングで、彼女にとってマッチする音楽を見つけ、より雄弁かつ堂々とできる音楽を作り出せたなら、どんな姿を見せるのだろうか? 想像は尽きない。今作はその想像の一助になるであろう。

      

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