山崎はるかが語る、自分であることを手放す“自分らしさ”「人と同じじゃなきゃいけないなんてない」

山崎はるかが語る、“自分らしさ”

 山崎はるかが、1stフルアルバム『Cʼest Parti !!』を8月28日にリリースする。『ハヤテのごとく!』(水蓮寺ルカ役)や『アイドルマスター ミリオンライブ!』(春日未来役)で知られる声優の山崎はるか。2018年5月にTVアニメ『魔法少女サイト』エンディングテーマ「ゼンゼントモダチ」でアーティストデビューし、今作が初のアルバムとなる。

山崎はるか「ゼンゼントモダチ」MV

 同作のテーマは「遊園地(テーマパーク)」。山崎自身がデモ制作やアートワークのデザインなどにも参加した意欲作で、収録曲「ヒヤシンス」で初めて作詞にも挑戦。彼女が考える“楽しい”を余すことなく詰め込んだ1枚となった。声優の中でもひときわ目を引く髪色やファッションで個性を発揮する山崎はるかが、念願の1stアルバムで表現した“自分らしさ”とは。歌手デビューから現在までを振り返りつつ、今後目指すべき歌手像についても話を聞いた。(編集部)

私の“楽しい場所”のイメージがイコール遊園地

ーー昨年5月に、シングル『ゼンゼントモダチ』でアーティストデビューした山崎さん。その際の反響はいかがでしたか?

山崎はるか(以下、山崎):私が思っていた以上に反響がありました。デビューシングルは本当にたくさんの人が聴いてくれて、感想をいただけたのもうれしかったし、その流れで今回の1stアルバムに期待してくださってる方も多くて。私、「ぴょん吉」ってあだ名で呼ばれているんですけど、ジャケットを公開した直後から「ぴょんちゃんらしいね」とか「こういう感じ、似合う」って声をたくさんいただいたんです。アルバム自体はもちろん、ジャケットにも私の好きなテイストを詰め込んだので、それを「好き」と言ってもらえるのは本当にうれしいです。

ーー1stアルバム『C’est Parti!!』は、「遊園地(テーマパーク)」をテーマに作られた1枚だそうですね。

山崎:私、遊園地が大好きで。ディズニーランドに限らず、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)、富士急ハイランド、よみうりランド……と、いろんなテーマパークに足を運んでいるんです。世の中に様々な娯楽施設がある中で、私の“楽しい場所”のイメージがイコール遊園地なんです。

ーー昔から家族ともよく行っていたんですか?

山崎:そうですね。ホームビデオを見ると、「こんな小さい頃から行ってたんだ」ってビックリするくらいの年齢から。もともと私というより親が遊園地大好きで、物心つく前から休日はいつも連れて行かれました。自分で行けるようになってからも友達と行きまくって、ひとつのアトラクションのために1日を捧げることも(笑)。お気に入りの絶叫系に何十回と乗るんですけど、全然飽きないです!!

ーー好きな気持ちがよく伝わります(笑)。で、そんな愛してやまない場所と音楽を結び付けたのが今作だと。

山崎:はい。私のアルバムを聴いたときやライブを見たときに、まずは「楽しい」と思ってほしくて。だから私のイメージする最上級の「楽しい」をお届けしたい、という思いを持って作り始めました。メリーゴーラウンドやコーヒーカップをイメージした曲は可愛らしい音楽が流れているし、ジェットコースターならとにかく速い感じ……って、音やリズムのイメージもいろんな方向に考えられそうだなって。そんなところから、「1日限定の遊園地」みたいなコンセプトを頭に描きながら作っていきました。

ーーデモ曲のチョイスから山崎さんが関わったんですか?

山崎:いろんな作家さんにデモを作っていただいて、そのコンペディションから参加しました。メリーゴーラウンド、コーヒーカップ、ジェットコースター……って、ほとんどがアトラクションや曲の雰囲気を指定して1曲ごとに募集しました。

ーーということは、相当数のデモを聴いたんじゃないですか?

山崎:たくさん聴きましたね。選曲のポイントは「好み」と言ってしまえばそれまでなんですけど、中には、お風呂の中で何曲も聴いて「やっぱりこれが耳に残るな」みたいな直感的な選び方をした曲もあります。その選ばせてもらったものに対して「この部分のメロディだけ変えてください」とリクエストしたり、細かいところまでこだわって作っていきました。

ーー実際に完成したアルバムを聴くと、「遊園地」の1日の流れを意識したコンセプチュアルな1枚になっていますね。

山崎:順番はいろいろ考えたんですけど、これはあくまで遊園地を回るときの一例というか。「私ならこう回るな」っていう朝から夜までの流れをイメージして並べてみました。

ーー1曲目「パンピーナ!」はコーヒーカップ、2曲目「キセキ的☆スマイリュージョン」はメリーゴーラウンドがテーマの曲。最初はわりとマイルドなアトラクションからですね。

山崎:そうなんです。まずは肩慣らしからということで(笑)。

ーー中でも賑やかなサウンド感とファンタジックな歌詞が印象的な「キセキ的☆スマイリュージョン」は、本当に脳内でメリーゴーラウンドが回りました(笑)。

山崎:ありがとうございます。「キセキ的☆スマイリュージョン」はアルバムの中で一番年齢が低いイメージで、5歳くらいの子がメリーゴーラウンドの世界に入ったら……みたいな。曲中にはセリフもあって、せっかく声優としてもいろんな役をやらせていただいているので、もしCDから私のことを知ってくださる方がいたら、「声優」の部分をこのセリフで感じてもらえたらうれしいです。

ーー次は、お化け屋敷の「Dark Sweet Nightmare」へと進みます。

山崎:「Dark Sweet Nightmare」は、このアルバムを個人的な趣味として見たときの一番の推し曲です。日本ではなく外国の洋館のイメージで、入口からゴーストたちがウヨウヨお出迎えするようなちょっと不気味な雰囲気……。その世界観が個人的にはどストライクなんです。私が今言ったような曲のイメージをスタッフさんに伝えたら「そういう世界観が得意な人がいるよ」って紹介されて、エンドウ.さんというアーティストの方に依頼しました。そして曲が上がってきたときは、ただただ「わあ、すごい!!」って。まさに思い描いたとおりの世界観で、楽曲に一目惚れみたいな感覚でした。

ーー「Dark Sweet Nightmare」の歌詞は、多くのアニソン作品を手がける人気作詞家・こだまさおりさん。こちらもご指名だったんですか?

山崎:こだまさんはスタッフさんが私に仕掛けたサプライズというか(笑)。知らない間にオファーしてくださってて、「(こだまさんに)書いてもらったよ」って言われたときは本気で驚きました。こだまさんには今まで自分のキャラソンを書いてもらったことはあったんですが、ソロの曲まで担当してもらえるとは思わなかったし、そもそも私にとっては神みたいな存在。いただいた歌詞を見ると、エンドウ.さんのときと同じく「なんでこんなに私の脳内が分かるんですか!?」って。こちらからお伝えしたほんのちょっとのリクエストからここまで作品が膨らむなんて感激のひと言でした。しかも、こだまさんはレコーディングにも立ち会ってくださったんですよ。その日が初対面だったので、半泣きで「大ファンです」って伝えて写真も撮ってもらって……。レコーディングは最初、妙にドキドキして落ち着かなかったです(笑)。

ーーそして4曲目、休憩タイムのイメージで作られた「ChuChuパフェ☆SP」は本当に楽しくてアガる1曲ですね。

山崎:これはコンペで決まったんですが、その時点から「1曲だけ突拍子もない曲があるな」って。いわゆる電波ソングというか、とにかくこの曲だけいい意味で浮いてたんです(笑)。でも私はもともとそういう曲も好きだし、突き抜けてるからこそ引っかかるものがあるなって。歌詞はレーベルの先輩であるKOTOKOさんにオファーしました。KOTOKOさんに「好きなお菓子は?」とか「ウエハース好き?」って事前にいろいろ質問されて、「なんだろう?」と思いつつ私がお返事したその答えも盛り込みつつ、パフェをテーマにしたかわいくて面白い歌詞を書いていただきました。KOTOKOさん本当に天才的だなって思います。

ーーアルバム後半も、ジェットコースターがテーマの「Supersonic Mighty Dream」と「Dragon Dance」でアガり、帰り道を描いた「キャラメル」、パレードが浮かぶ「おいでBrand-new World!」とコンセプチュアルな楽曲が続きます。1日の終わりまでしっかり遊園地を楽しめる展開が見事ですね。

山崎:「Supersonic Mighty Dream」はとにかく速さを追求したジェットコースターで、「Dragon Dance」は大きく揺れて円も描いちゃうようなジェットコースター。同じアトラクションの中でもそういう違いを作れたのは楽しかったです。「キャラメル」はイルミネーションを見ながら帰りのゲートへ向かう感じ、「おいでBrand-new World!」はアルバム全体のイメージをまとめたような、まさに「遊園地」を象徴する1曲。最後まで思いきり楽しんで、それぞれお気に入りのアトラクション(曲)も見つけてもらえるとうれしいです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる