“プデュ”第4弾『PRODUCE X 101』から新グループ X1が誕生 未知の可能性に寄せる4つの期待

“X(未知)”の可能性 その3:グループの核をなす器用なオールラウンダーの存在

 チョ・スンヨンは本来、所属グループのUNIQではラップを務め、ラッパーのサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』への出演経験もあるメンバーだ。LuizyやWOODZ名義でのソロ曲ではたびたびその歌声を披露してきたが、今シーズンではダンス、ボーカル、ラップ、すべてをこなす“最強オールラウンダー”として右肩上がりで順位を上げデビューの座を掴んだ。チョ・スンヨンは自身の楽曲に加え、“中国版プデュ”にあたる『偶像练习生』の課題曲「It’s OK」の制作に携わるなど、楽曲プロデュースも手がける。X1としての活動ではそのスキルをどのように発揮してくれるのだろうか。そのほか、“セクシーメインボーカル”として活躍したハン・スンウもVICTONではラップ・ボーカルを兼任し、どちらもこなせる実力派。1位のキム・ヨハンも課題曲ごとにラップ、ボーカルの両ポジションを見事にこなし視聴者を驚かせた。曲やコンセプトに合わせて柔軟に自分を輝かせることができるオールラウンダーの存在は、より幅広い音楽性や魅力を追求するうえで大きな力になるのではないだろうか。

“X(未知)”の可能性 その4:経験値の高い既デビュー組の牽引力

 キム・ウソク、ハン・スンウ、チョ・スンヨン、イ・ハンギョルの4名は過去にデビュー経験がある、いわゆる“既デビュー組”だ。デビューはしたもののグループとしての活動経験がほぼなかったイ・ハンギョルと、韓国外での公演経験もあるそのほか3名を同じくくりにするのはフェアではない気もするが、Wanna Oneの既デビュー組が2名だったのに対し、X1が4名に増えたのは触れておきたいポイントだ。韓国の年齢で未成年にカテゴライズされる“フレッシュ層”は比較的10〜20代の人気が高かったが、既デビュー組の4名は素顔のかわいらしさに加えて成熟した魅力やセクシーさも武器となり20〜30代から熱い支持を得た。評価ステージでの経験に裏付けされたパフォーマンスは圧倒的で、舞台上で自分の魅せ方を熟知しているのも強い。彼らのブレない巧さや色気が、フレッシュな弟チームと融合し、どのようなダイナミクスを生み出すのか楽しみだ。きっとX1での活動でも、番組で見せてくれたように頼もしく弟たちをリードしてくれることだろう。

 『PRODUCE X 101』は過去のシーズンに比べて視聴率や投票数の低下が指摘されていたが、放送翌日にオープンしたX1公式ファンカフェの加入者数はすでに9万人、Twitterのフォロワーも33万人超え(2019年7月22日現在)と、注目度は高い。8月27日にはソウル・高尺(コチョク)スカイドームでショーケースとコンサートを兼ねたデビューショーコンを開催予定で、本格的に公式活動が開始される。

 また、惜しくもX1としてのデビューを逃した12位以下のメンバーによる派生グループを望む声もあがっており、番組を通して人気を博したメンバーたちの今後の動向にも熱い視線が注がれている。

■後藤涼子
編集・ライティングユニットomo!(オモ)として、ガイドブックや韓国エンタメ等の書籍・雑誌・コンテンツ制作に携わる。日韓の俳優やアーティストのインタビュー、翻訳・通訳コーディネートも。著書に『Seoul guide 24H』(朝日新聞出版)ほか。インスタグラムアカウント@ryoco_omo

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