中国アイドルと韓国アイドルの違いと魅力は? NINE PERCENT ノンノンの現地ファンに聞く

 中学の頃からBIGBANGのファンだったシューさん。2018年の番組をきっかけに中国アイドルを応援するようになった。韓国アイドルとの違いは何なのだろうか。「やっぱり中国アイドルだと中国語を話しているから、近い感じがしますね。それは全然違うかな」。また、番組を通してリアルタイムでノンノンの成長が見えて、自分もノンノンを育てているという感じがしたという。さらに、ノンノンの中国各地でのイベントにも行きやすいのは、BIGBANGのときとは全然違う。BIGBANGは韓国のアイドルなので、基本韓国での活動が多い。高校を卒業して、中国で開催されたBIGBANGのファンミーティングに参加したことはあるけれど、それ以降は、BIGBANGには会えていないそうだ。

 「それに、ノンノンは親孝行なんです。家族のことを考えていて、親には楽させたいって。まだ18歳なのにすごいって思います」。中国、特に大都市で生活をする若者のなかには、地元や家族から離れて生活をしている人が多い。中国人は家族との絆をとても大切にするので、ノンノンのように家族思いなのは、彼女たち中国の若者にも響くのだろう。

 「BIGBANGも今はグループで活動をしていないですし、もし、ノンノンが私の人生に登場しなかったら、大学生活はこんなに楽しくなかったかもれないです。NINE PERCENTが解散してもノンノンはアイドルを続けるわけだし、もちろん、引き続き変わらずに応援していきますよ!」

 シューさんのように、韓国アイドルから自国の中国アイドルに夢中になる若者が増えているらしい。それでは、これまで中国アイドルは存在していなかったのかというと、もちろん、ちゃんと存在していた。しかし、昔の中国アイドルと去年から登場した中国アイドルの違いをシューさんはこう話す。「今までの中国アイドルは、中国色が強すぎて何か違うなって感じがしたんです。でも、去年登場した中国アイドルは、『完成系』って感じがする。ダンスも歌も完璧だし、中国色は強くないし、その辺が全然違いますね」。

 そう、私が『偶像练习生』が初めて見たときに感じた、良い意味での違和感もこれだったのだ。“中国っぽくない”のだ。どこか韓国アイドルっぽさがありながらも、それでも中国人らしい素朴で初々しい雰囲気があったから驚いたのかもしれない。そこで、私はとても基本的な疑問が湧いた。「じゃあ、中国にはアイドルっていつから存在していたんだろう?」「韓国アイドルと中国アイドルの違いって?」。最終回では、アイドル産業に身を置く当事者へのインタビューをお送りしたい。

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■小山ひとみ
中国のミレニアル世代やユースカルチャーが得意分野のライター、フェスティバル/トーキョー中国プログラムキュレーター、中国語通訳・翻訳者。『STUDIO VOICE』Vol.413では中国のオンライン番組についてのコラム執筆、Vol.414では中国のファッションページで企画、コーディネート担当。『装苑』で中国のファッションデザイナー、ウェブマガジン『HEAPS』で中国ヒップホップやミレニアル世代の記事を執筆。2017年の「フェスティバル/トーキョー」では中国特集をキュレーション。中国のメディアに日本の情報も提供するなど、日本と中国の「いま」にフォーカスを当てて発信を続ける。

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