kolme×MATZが語る、世界で“普段聞き”されるための楽曲制作「音楽は言語を超える力を持ってる」

kolme×MATZが語り合う楽曲制作

同世代の音楽制作トーク

ーー皆さんはすごく世代が近いですよね。音楽的なルーツも似たようなところがありそうですね。

MATZ:もしかして同い年ですかね?

RUUNA:私たちは3人とも22です。

MATZ:じゃあ一つ違いですね。僕が一つ下。

MIMORI:もともとどういうきっかけで音楽を作り始めたんですか?

MATZ:中学から高校に上がるくらいの時、ちょうどbanvoxさんやTeddyLoidさん、あとtofubeatsさんとか、パソコン1台で何でも完結させちゃう人たちのことを知ったんですよね。それまで「音楽を作る」っていうのは大きなスタジオで高い機材を使ってやるものだと思っていたんですけど、「そんなことができるのか!」とびっくりしてどういうソフトがあるのか調べてみたら学生向けの安いバージョンがあったので、それを買ってみてそこからどっぷりって感じですね。軽音楽部に入ろうかと思っていたこともあったんですけど、結局それ以来1人で音楽を作っています。皆さんはどういういきさつだったんですか?

RUUNA:最初はスタッフさんの丸投げだったんですよ(笑)。

KOUMI:ちょうど3人が高校を卒業するタイミングで、「卒業制作」みたいな感じで何か作ったらどうかと提案されたんですよね。

RUUNA:「せっかくだから1から全部作ってみたら?」と言われて、「そんなことできるのかな……」と思ったんですけど、MIMORIが以前からピアノをやっていたこともあって、とりあえずトライしてみようかということになりました。歌詞の書き方もほんとに何もわからない状態からのスタートでしたね。

MIMORI:私はもともとボーカロイドの曲を動画サイトでよく聴いていて、「ピアノで弾いてみた」とかもいろいろ見ていたんですけど、そこから掘っているうちにボカロPにつながっていって。

MATZ:ボカロPの人気がすごい時期でしたよね。

MIMORI:そうですね。それで「自分も作ってみたいな」と思ったんですけど最初はもちろん何もわからなかったので「ボカロP 作り方」で検索して、それでDTMの世界を知りました。初めに使ったのはDominoっていうソフトです。

MATZ:なるほど。こういう言い方は失礼かもしれないですけど、見た目からは想像できないオタクっぷりですね(笑)。

RUUNA:MIMORIは根暗なんです(笑)。

MIMORI:さっき軽音楽部の話がありましたけど、部活も入れなかったんですよね。何か空気が合わないような気がして……。

MATZ:わかる(笑)。「音楽を作る」のと「バンドを組む」のってちょっと違いますよね。僕も1人で作ってる方が楽しいなと思っていました。

MIMORI:私も同じです。「ひきこもる」ってこういうことなんだな、と思いながら黙々とやってました(笑)。kolmeを始めてからは「無料ソフトじゃないので作ってみたら?」と言われて、CubaseとPro Toolsで迷ったんですけど、そのまま持っていってレコーディングに使えるからというのと、制作についていろいろ教えてくれているアレンジャーの師匠が使っていたということもあって、Pro Toolsを使うようになりました。Studio OneとかLogicを最近触ることもあるんですけど、やっぱりPro Toolsが一番落ち着きます。

MATZ:Pro Tools使ってるんですか。すごいな……僕はPro Tools全然わからなくて。今はAbleton Liveをメインに使っています。僕がやり始めた頃もGoogleとYouTubeが先生みたいな感じでしたけど、今はソフトの使い方に関する動画がたくさん上がっているから、昔よりも最初のハードルは下がってるかもしれないですね。いい時代になったなと思ってます。

MIMORI:私もPro Toolsの説明が全部英語だったので、最初はYouTubeの動画から地道に勉強しました。あと、最近はMPCでトラックを作ってる人も多いですよね。私も普段からMPCを持ち歩いていて、暇があればビートを考えたりしてるんですけど。そっちも勉強し出すとなかなか奥が深くて……。

MATZ:MPCも使ってるんですね。Ableton LiveもMPCと似てるところがあって、MPCからAbleton Liveに移る人もいますよね。今は少し古い型のMPCの質感を再現するプラグインもあるし、リバイバル的な意味でもかっこいいと思います。これまで自分で曲を作る時はビートやリズムをクオンタイズするのが当たり前だと思っていたんですけど、最近はMPCで手打ちしたビートをあえてそのまま使って、より生のグルーヴ感を出すような楽曲もすごく好きです。

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ーー制作の観点から話し合っていただきましたが、普段の音楽との関わり方でも共通点がありそうですね。

KOUMI:カラオケに行ったりはしますか?

MATZ:たまに行きますね。マネージャーとかと長時間行って歌いまくりますよ(笑)。聴いている音楽はもともと洋楽の方が多かったんですけど、カラオケで歌うのはJポップがメインですね。サザン(オールスターズ)の曲とか、あと「今夜はブギー・バック」(小沢健二feauturingスチャダラパー)とか。英語喋る人がいるとガンガンラップしてくれたり、パーティーっぽい感じになります。皆さん行きますか?

KOUMI:それぞれの誕生日会のときに、毎回朝5時までカラオケをするんですよ。みんな好き勝手な曲を歌いますね(笑)。私は洋楽メインで。

RUUNA:英語の方が得意だよね。「kolmeの曲より上手くない?」って思う時もあります(笑)。私は80年代とか90年代の日本のポップスですね。MIMORIはアニソンとかも。

MIMORI:盛り上げようと思って、ニコニコ動画で流行ったダンスを踊ったりもします(笑)。

RUUNA:曲間の合の手とかも覚えさせられるんですよ。

MATZ:やばそうなカラオケ……(笑)。

MIMORI:みんながカラオケで歌ってるのを聴くと、どの辺のキーが得意かわかったりするんですよね。遊んでるだけじゃなくて、ちゃんと制作にも生かしてます(笑)。

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