Dreamcatcher、“女性版BTS”と呼ばれる日もそう遠くはない? 世界各地で注目集める要因を探る
悪夢コンセプトとヘビーなロックサウンドで異彩を放つ韓国出身の女性7人組・Dreamcatcher(ドリームキャッチャー)が今、世界各地で注目を集めている。
このように書くと「少し大げさでは?」と思う人がいるかもしれない。しかしデータは噓をつかない。先日韓国でリリースされた彼女たちの4thミニアルバム『The End of Nightmare』(リードトラック「PIRI」)は、アリアナ・グランデ、レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパー、クイーンなどに続いてiTunesワールドワイドアルバムチャートで5位(2019年2月14日付/Kworb調べ)を獲得、YouTubeの関連動画総再生回数は6000万を超えた。さらに世界の27の国と地域の総合アルバムチャートでトップ10入りを果たし、『Billboard Top World Albums Chart』では6位にランクインするなど、K-POPガールズグループとしてはトップランクの成績を残している。
韓国の女性アーティストが「海外で成功を収めた」と言われるとき、日本を筆頭に、台湾や香港といった中華圏、もしくはタイ、ベトナム、インドネシアなど東南アジアでの実績を指す場合が多かったように思う。だが、Dreamcatcherの人気は特定の地域にとどまらない。『The End of Nightmare』がヒットした国は、前述のエリアはもちろんのこと、大洋州(オーストラリア、ニュージーランド)、中南米(アルゼンチン、ブラジル、ペルー、メキシコ)、欧州(オーストリア、オランダ、スウェーデン、スペイン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、ポルトガル、ロシア)、中東(アラブ首長国連邦、トルコ)など驚くほど広範囲に及ぶ。彼女たちの人気はまさに“ワールドワイド”なのだ。
では、なぜこれほどまでに支持されるのだろうか。その理由のひとつとしてあげられるのが、ビジュアル系の世界共通のイメージを「観る」と「聴く」の両方で意識したことだろう。きらびやかなコスチュームを身にまとったメンバーによる華麗なライブパフォーマンスと、情緒的なメロディラインを際立たせる激しい演奏という様式美を、国境を超えて幅広い世代にわかりやすく提示する。それを実際にやるとなると大味になったり、マニアック度が高くなったりと、さじ加減が相当むずかしいはずだが、Dreamcatcherはこの課題を難なくクリアした。
わかりやすさとともにオリジナリティも追求した点も見逃せないポイントだ。北欧メタルに似た雰囲気を持つ親しみやすいハードロックに、K-POP特有のウエットなボーカルとキレのいいリズムを加えた独自のサウンドメイク。そこに悪夢コンセプトの歌詞とビジュアルをはめ込み、唯一無二のスタイルへと昇華させている。このようにレアだが海外に強くアピールできる魅力を備えた彼女たちの存在は瞬く間に世界中に広がり、その盛り上がりがニューアルバムと「PIRI」のヒットへとつながったわけだ。