Maroon 5、初の東京ドーム公演で示した世界的スーパーバンドとしての実力
アンコールも見どころたっぷり。観客がスマートフォンのライトを掲げるなか、再び登場したメンバーは、「Girls Like You」のイントロからAlphavilleの1984年のヒット曲「Forever Young」をマッシュアップ。「Girls Like You」では、楽曲にフィーチャーされたカーディ・B、さらにMVに出演したベハティ・プリンスルー、アシュリー・グラハム、ガル・ガドットなどが出演するスペシャル映像も。様々なアーティストとのコラボレーションでも知られるMaroon 5だが、この日、フィーチャリング相手のボーカルトラックを使ったのはこの曲だけだった。
続いては、アダムのソロ曲「Lost Stars」。映画『はじまりのうた』劇中歌としてヒットしたこの曲がアダムのボーカル、ジェームスのアコギで披露されると、ドーム全体が大きな感動で包まれる。ベタだろうが何だろうが、問答無用の名曲である。じつはこの曲、セットリストには入ってなかったサプライズ楽曲。この日、アダムは「Our dreams come true」という言葉で東京ドーム公演に対する思いを伝えていたが、「Lost Stars」は日本のオーディエンスに対する感謝の表れだったのかもしれない。ラストは「Sugar」。ソウルフルかつポップなメロディが心地よく響くなか、1日限りの来日公演はエンディングを迎えた(最後、アダムはTシャツを脱ぎ、上半身ハダカに。タトゥの模様が良く見えました)。
あらゆるジャンルを融合させたソングライティングの素晴らしさ、バンドとしての実力の高さをストレートに示したMaroon 5。ポップミュージックの多様性と可能性をたっぷりと体感できる、素晴らしいステージだった。
(取材・文=森朋之/写真=Masanori Naruse)