パノラマパナマタウンが示した現在の勢いと信頼 ロックの秘宝館のような『パナフェス』を見て

パノパナ主催『パナフェス2019』を見て

 神戸のライブハウスシーンやバンド勢が活性化され、その猛威が全国に吹き荒れているのはもう5年以上前からだが、その神戸出身のバンドで去年メジャー進出を果たしたパノラマパナマタウンが主催するライブハウスサーキットフェス『パナフェス2019』が2月17日に開催された。会場はCHICKEN GEORGE、VARIT.、そしてMUSIC ZOO KOBE 太陽と虎という3つのライブハウス。このフェスは彼らが大学時代から開催していたもので通算4回目になるが、スケールも今までで最大規模のものとなり、パノラマパナマタウンの現在の勢いと信頼をあらためて実感できるフェスとなった。

 自身のバンドを含めて総勢16組による出演。パノラマパナマタウン自体が変幻自在のニューミクスチャーバンドであることを含め、出演したバンドも皆、独特のムードを持ちながらそれぞれ異なるロック観や音楽性を爆発させていた。どのバンドも自分らの世代感やバンド感をしっかり握りしめながら、仲間のバンドから招かれたことに喜びと意義をとても感じていて、単なるライブ以上のメッセージを放っていた印象だ。実際、ライブの合間には各バンドのボーカリスト同士のトークライブや、ヒップホップでラッパーが複数集まって次々とビートに乗りながらラップのバトンを繋ぐ遊び“サイファー”が仲間同士で行われ、音楽に対して真摯かつ自由な世代感、新しいアーティスト発のフェスの在り方などを個性的に表現していた。

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 トリを務めたパノラマパナマタウンのライブは、最大キャパのCHICKEN GEORGEで行われたにも関わらず、観客が入りきれずに入り口から見つめる者までいるという盛況ぶり。開催日の4日前にリリースしたバンド初の1stフルアルバム『情熱とユーモア』の中から果敢に歌い鳴らす挑戦的なセットリストだったものの、快感原則ど真ん中のメロディやリズム、そして当たってぶつかって砕ける覚悟に満ちた独特の哲学で構成された歌は、700人以上のオーディエンスの心に真っ直ぐ響いていく。パノラマパナマタウンの音を観客は自分のメッセージとしてキャッチし、反射神経満載のまさに“情熱とユーモア”をステージにぶつけ返す。そんな気持ちの篭ったキャッチボールが、ライブハウスの中で何度も何度も交わされていた。

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