安室奈美恵はヒールを履いた美しきアスリートだ 体感型展覧会開催を機に振り返る“ライブへの情熱”
テクノロジーの進化と普及により、LEDやVRを駆使し、トリッキーなステージ演出や衣装を用いるアーティストも多い。安室奈美恵ほどのトップスターなら、どんな規模のどんな演出も容易に実現できたはずだ。だが彼女は最後まで最小限のテクノロジーだけを用い、自身の肉体と歌声で表現できるものにこだわった。おそらくそれは、歌って踊るシンガー&エンターテイナーとしての彼女のプライドであると同時に、ライブこそがファンと直にコミュニケーションできる唯一の場であることを、彼女が何よりも大切にしていたことの証だと思う。
そんな唯一無二のシンガー&エンターテイナー、安室奈美恵が歩んできた25年間の軌跡を振り返る体感型展覧会『namie amuro Final Space』。東京、大阪、福岡、沖縄の各会場にて、引退の日となる9月16日まで開催される。
(文=早川加奈子)