『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』レポート
チャットモンチーにとって“完結”は不可避だったーー兵庫慎司が観た武道館ラストワンマン
7月21・22日に地元徳島のアスティとくしまで開催のフェス『チャットモンチーのこなそんフェス2018』を最後に活動を「完結」(※彼女たちは「解散」ではなくこの言葉を選んでいる)するチャットモンチーの、ワンマンとしては最後のステージになる7月4日の日本武道館公演『CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~』を観た。このライブはWOWOWで生中継されたほか、全国21カ所の映画館でライブビューイングも行われた。つまり、武道館に来れないファンもリアルタイムで時間を共有できるように、手が尽くされていた。なので、こと細かに時間軸に沿って書くのはやめます。以下、まず、このライブの概要や要点などについてです。
二部構成で一部8曲、二部9曲、アンコール3曲の全20曲。一部はチャットモンチーの現在の形=最新形の「CHATMONCHY MECHA(チャットモンチー・メカ)」、橋本絵莉子と福岡晃子のメンバー二人によるステージで、ラストアルバム『誕生』の「びろうど」以外の6曲に、「惚たる蛍」と「染まるよ」を加えたセットリスト。曲によってそれぞれシンセやアコースティックギターやパーカッションなどを、同期のバックトラックに加えていくライブ。6曲目「クッキング・ララ」ではゲストでDJみそしるとMCごはんが登場、橋本絵莉子&福岡晃子もハンドマイクで前へ出て3MC編成になる。
そのあとの「惚たる蛍」と「染まるよ」は同期なし。「惚たる蛍」は橋本絵莉子の歌&アコギと福岡晃子のベース、「染まるよ」は橋本の歌&ギターと福岡のドラムでプレイされた。
二部は、ふたりにストリングス6名が加わった「チャットモンチー・アンサンブル」編成で、福岡晃子が指揮者を務める形で「majority blues」からスタート。「ウィークエンドのまぼろし」「例えば、」もそのフォーメーションで、福岡晃子がドラムを叩いたり笛を吹いたり、橋本絵莉子がアコギを弾いたりパーカッションを鳴らしたりして、曲に彩りを添えていく。
12曲目「東京ハチミツオーケストラ」でドラム恒岡章が加わり、9人編成になる。この曲終わりでストリングスが去り、13曲目「さよならGood bye」から16曲目の「真夜中遊園地」まで3人編成でプレイ。17曲目「ハナノユメ」では再びストリングスが加わって、華々しく本編を締める。
アンコールは、3人で「シャングリラ」と「風吹けば恋」、そしてそれぞれとハグした恒岡章が去ってから、ふたりだけで……いや、ふたりと武道館の360度の客席をびっちり埋めたお客さんたちも加わって「サラバ青春」を歌い、終了した。
次、演出について。ステージ三方を覆う白い緞帳。開演前は、ステージ両側のスクリーンに「Every day is your birthday」という文字が映し出されており、開演が迫ると「Chatmonchy is coming soon…!!」に変わる。実質SE的な1曲目「CHATMONCHY MECHA」が鳴り始めると「私たちのこれまでと、皆さんのこれからが交わる、輝かしい1日になりますように」というメッセージが映り、緞帳がスルスルと上がってステージが現れる。なお、二部も最初に指揮者(福岡晃子)のシルエットが幕に映し出される、というふうに、その緞帳が効果的に使われていた。
幕が上がると、ステージ後方の「CHATMONCHY」のプレートが左右に開き、そこからメンバーふたりがセリで登場。ステージ中央の床の楽器・機材が載る部分もセリになっていて、楽器編成が変わる時は、その床が下からウィーンと上がって来て、セットチェンジがされる。
また、一部と二部の間の転換の時間には、2005年から2018年までのチャットモンチーの歩みを、それぞれの時代の映像と楽曲で振り返って行くヒストリーコーナーも設けられた。