doa、新作アルバムで示した豊かな音楽性 希代のヒットメーカー徳永暁人の才能を紐解く

doa、新作アルバムで示した豊かな音楽性 希代のヒットメーカー徳永暁人の才能を紐解く

 Crosby, Stills, Nash & Young、Eagles、The Doobie Brothersなどに代表される70年代のウエストコーストロックをルーツに持つ3ピースバンド、doaが約2年半ぶりとなるニューアルバム『ISLAND』をリリースする。吉本大樹(Vo)、大田紳一郎(Vo/Gt)、徳永暁人(Vo/Ba)によるdoaは楽曲ごとにメインボーカルが変わるスタイルで2004年に活動をスタート。質の高いハーモニー、オーガニックなバンドサウンドによって高い評価を得ている。

 バンドの中心は、すべての作曲と編曲を手がけている徳永暁人だ。東京音楽大学在学中から作曲・編曲家、ベーシストとしての活動をスタート。the FIELD OF VIEWの「Dear old days」「Dreams」の編曲、ZARDの「永遠」の作曲・編曲を手がけたことで注目を集め、その後、多くのアーティストの楽曲に関わることになる。特筆すべきは倉木麻衣、そしてB’zにおける仕事だ。倉木麻衣には「Stand Up」を皮切りに「Feel fine!」「Winter Bells」「明日へ架ける橋」などを提供、じつに30曲以上の楽曲に参加している。昨年のNHK紅白歌合戦で歌唱された「渡月橋 ~君 想ふ~」の作曲・編曲も徳永が担当。全キャリアを通し、倉木麻衣の音楽性に大きな影響を与えていることは間違いないだろう。また、主に2003年から2007年にかけてB’zのライブ(『B’z LIVE-GYM 2003 The Final Pleasure “IT’S SHOW TIME!!”』、『B’z LIVE-GYM 2005 -CIRCLE OF ROCK』など)をベーシストとしてサポート。音楽的な理解力の高さと演奏家としての技術を併せ持った彼の存在は、’00年代中盤のB’zサウンドにはなくてはならない存在だったのだ。最近は大黒摩季(『Maki Ohguro 2018 Live-STEP!!~Higher↗↗ Higher↗↗中年よもっと熱くなれ!! Greatest Hits+~』など)や倉木麻衣(『Mai Kuraki Live Project 2017 “SAWAGE☆LIVE”』)のライブにも参加しており、実力派シンガーからもプレイヤーとして強く信頼されていることが窺える。

 ソングライター、プレイヤーとして才能を発揮し、数多くのアーティストの活動を支えてきた徳永。その特徴を端的に言えば“自由な感性と高度な音楽理論の共存”ということになるだろうか。10代の頃から主に70年代のアメリカンロックに傾倒し(もっとも好きなバンドはEaglesだという)、在学中に三枝成彰、服部勝久、羽田健太郎などに師事し、実践的な音楽理論を会得。自らの内側から自然に生まれてくるメロディを、的確な音楽技術によって構築していくセンスと手腕は、現在のシーンにおいてもかなり際立っていると言っていい。そして、その才能がもっとも奔放に活かされているのが、自ら立ち上げたバンド・doaだ。

 前述した通り、doaの楽曲は徳永が手がけているのだが、その楽曲の魅力を増幅させているのが、メンバーの吉本大樹、大田紳一郎。“現役レーシングドライバー”という異色のキャリアを持つ吉本のエモーショナルなボーカル、そして、徳永と同じくB’z、ZARDなどのサポートメンバーを経験してきた大田のハイトーン・ボーカルを交えた3人の歌とハーモニーこそが、doaの支柱なのだ。

 彼らのボーカル表現の素晴らしさはもちろん、約2年半ぶりとなる新作『ISLAND』でも存分に発揮されている。若手レーシングドライバーの登竜門『FIA-F4選手権オフィシャルテーマソング「HERO」を含む本作のテーマは“大人の夏休み”。70年代のウエストコーストロック、フォークロック、カントリーなどのテイストをたっぷりと取り入れたサウンドメイク、ヒットメイカーである徳永のポップセンスがしっかりと反映されたメロディ、そして、“全員がリードボーカル”という独自のスタイルを中心にしたdoaの音楽性は、約15年のキャリアのなかでしっかりと熟成され、豊かな実りの時期を迎えている。本作を聴けば、そのことをはっきりと実感してもらえるはずだ。

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