香取慎吾が伝える、パラリンピック現地の様子 新しい地図SNSから考える“やさしい世界”の作り方

 香取慎吾が、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)スペシャルサポーター、 朝日新聞パラリンピックスペシャルナビゲーターとして3月8日、韓国・平昌に到着。パラサポのウェブマガジン『香取慎吾が見たピョンチャン』、及び朝日新聞の『香取慎吾と歩くパラリンピック』にて現地の様子を伝えている。偶然フライトが一緒になったという選手たちとの交流、興奮に包まれた開会式、選手村の様子…… 香取の純粋な眼差しで切り取られた平昌パラリンピックは、とてもキラキラして見える。「ぼくがすごいと思ったこと、疑問に思ったことなどを、みんなにも同じように感じてもらいたい」これまでパラスポーツに縁遠かったという人も、親しみを持つきっかけとなりそうだ。

 「すごいね、ホントこれ。みんな見れてるんだね」今回、香取は新たにInstagramのライブ配信機能を覚えて、連日ファンを喜ばせている。雪がちらつく屋外や、滞在しているホテルの部屋から、プライベートのビデオ通話のような近さで語りかけられる生の声。微笑ましいのは、このInstagramの使い方をファンに尋ねながら、着々とマスターしているところだ。「これ横(画面)にすると、みんなも横に見てるの?」「インスタライブやるよ、の通知する、しない、のよくわかってないんだな〜」SNSでの香取は、自分の知らないことや、わからないこと、できないことを素直に聞く。それは簡単そうに見えて、大人になるほどハードルが高くなってしまうこともある。だが、純粋に問いかける香取のまわりには、いつも丁寧に教えてくれる人たちが集まっている。“新しい地図” という、やさしい世界だ。

 昨年、新しい地図がTwitterを始めたばかりのころ、草なぎ剛がある言い間違えをしたことがあった。第三者を巻き込んでツイートに返信してしまう“巻き込みリプ” を“巻き込みリップ”といったのだ。そのときも香取は「巻き込みリップとはなんでしょうか?」と、知らないことを一切恥ずかしがらずにフォロワーたちに尋ねた。自由奔放な草なぎと、ストレートな香取。そのやり取りをニコニコと見届ける稲垣吾郎。そんな三者三様のピュアさが、このやさしい世界を築いていったように思う。それ以来「巻き込みリップですよ」とうっかりミスをフフッと笑い合える余裕が生まれた。世界が、少しだけやさしく変わったといってもいい。

 そんな香取に感じるまっすぐさは、パラスポーツに汗を流す選手たちに似ているかもしれない。ある面で不自由なところや、もどかしさを受け入れ、一生懸命取り組む。その姿は周囲を勇気づけ、笑顔にし、世界を少しやさしくする。3月4日の『パラ駅伝』で、香取や草なぎ、稲垣らと1万7000人以上の観客が、最後にゴールを目指したランナーの名前を呼んで応援した瞬間もそう感じた。知らないこと、できないこと、不得意なことを助けてもらい、自分にできることで返していく。そうしてお互いに補い合うことが、この世界を楽しむ唯一の方法なのかもしれない。

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