『LUNA SEA The Holy Night 2017』レポート
LUNA SEAは攻める姿勢を崩さない 『The Holy Night』に見た、次に向かおうとする意思表示
LUNA SEA流ヘヴィグルーヴの真骨頂「Sweetest Coma Again」はより重心を低く鋭く、「adsorb」の混沌とした退廃美が乱反射して奥深いゆらぎを生み出していく。ますますバンドは進化し、楽曲とサウンドを深化させていることを知らしめる。そして、どんな楽曲でも微笑のようなミステリアスさをのぞかせながら会場全体を震わせるRYUICHIの歌声は、ボーカリストとして、フロントマンとして、その存在は圧倒的だった。
本編が終わり、アンコールを求める声は、場内いっぱいに響き渡った「きよしこの夜」の合唱だった。歌声とともに無数のスマートフォンの灯りが揺れる情景は、RYUICHIが思わず「宇宙に浮かんでいるみたい」と口にしたように神秘的な空間だった。
アンコールのMCで、SUGIZOが『LUV』について語った。
「超賛否両論が巻き起こってます。“やったぜ、ざまぁみろ!”って感じです。俺たちは常に次に行きたいんです、今までと同じことやってもしょうがない」
その言葉に憑き物が落ちた感覚に見舞われた。そうだ、LUNA SEAというバンドはいつだって確信犯なのだ。良い意味で我々を裏切ってくる。それはこれからも攻める姿勢を崩さないという姿勢を示唆するところでもあるのだ。
特別な日のライブだから、定番曲、人気曲を惜しげなく組み込まれたのセットリスト。その中で、『LUV』からの3曲が前半に立て続けに初披露されたのは、次へ向かおうとする彼らの意思表示であったように思う。
INORANの煌びやかなストロークにSUGIZOのフレーズが唸りを上げながら溶け込んでいく「Hold You Down」で沸き上がる昂揚感は、「Brand New Days」にて抑えきれないほどの胸の高鳴りに変わる。そこから「誓い文」の弾けるようなリズムとポップ性は、新たなLUNA SEAを魅せるには充分すぎた。
来年のツアー『LIVE TOUR 2018 The LUV -World left behind-』と、そして翌24日に開催が発表された『LUNATIC FEST. 2018』で、また更に進化したLUNA SEAを見せてくれるのだろう。
(撮影提供=LUNA SEA Inc.)
■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログ/twitter
■セットリスト
『LUNA SEA The Holy Night 2017』
2017年12月23日(土)さいたまスーパーアリーナ
01. STORM
02. Déjàvu
03. TRUE BLUE
04. Sweetest Coma Again
05. Hold You Down ※New Album『LUV』より
06. Brand New Days ※New Album『LUV』より
07. 誓い文 ※New Album『LUV』より
08. Limit
09. I'll Stay With You
10. absorb
11. Dr.Solo & Bass Solo
12. BELIEVE
13. I for You
14. JESUS
15. SHINE
16. TIME IS DEAD
17. WISH
<ENCORE>
01. HOLY KNIGHT
02. ROSIER
03. TONIGHT