マンチェスターテロ事件から改めて考えたーーCrossfaithが語る、“音楽で表現すべきこと”

Crossfaithが音楽で表現すべきこと

「通ってきた道は意図してなくてもにじみ出てくる」(Kazuki)

ーー今作では「Freedom」も「Rockstar Steady」もそうですけど、いわゆるラウドロックやメタルというよりミクスチャーロック感が強くて、間口の広い曲に仕上がった印象が強いですね。また、そういう曲にラウやJESSE(RIZE、The BONEZ)というクセの強いフロントマンをフィーチャーしているのも興味深くて。

Koie:そうですね。「Rockstar Steady」は、以前のロックはもっとギラギラしていたはずなのに今はちょっと下火のような気がしていて、俺らが観てきた時代のロックスターはいなくなってしまったのかっていう歌詞で、だからこそ俺たちCrossfaithが2017年式の形でロックスターを掘り起こしてやるわっていう主張なんです。そのテーマを伝えた上でJESSEくんに話を振ったら、ふたつ返事でやるよってことで。JESSEくんを起用した理由も長い間バンドをやってきて、やっぱりJESSEくん自体がロックスターだと思うから。ロックスターというか、本当にナチュラルにああいう人じゃないですか。今もどんどんカッコ良くなっているフロントマンだし、すごくリスペクトしているので、今回の歌詞にすごくぴったりやなということで、JESSEくんにお願いしました。

ーー確かにここ10年くらい、ロックスターという言葉にふさわしい人が生まれてないですものね。

Koie:ロックスター像もどんどん変わってきていますしね。より身近なものというか、ちょっと手の届きそうな現実主義になってきたというか。それは別に悪いことではないと思うんですよね。ロックも時代によってどんどん変わってきたわけじゃないですか。ハードロックが流行ってメタルが流行って、メタルを殺したのがNirvanaやと言われていて。でも、カート・コバーンがいわゆるロックスターかと言われたら、そこに対してちょっとアンチな部分もあったと思うんですよね。そうやって時代によって変わってきたとは思うんですけど、単純にバブリーさがなくなったなというのが大きいですよね、この10年に関しては。

Hiro:アメリカンドリームみたいな。ロックスターも、大きくはその中の存在というか。

Kazuki:確かに今のロックシーンには、そういうアイコニックな人物がいなくなった気はしますね。

Koie:ロックが低迷していくと同時に、ヒップホップがメインストリームになり、最近はまたロックとヒップホップの距離が縮まってきている気がしていて。昔、『ジャッジメント・ナイト』(1993年公開のアメリカ映画)とかあったじゃないですか。あの映画のサウンドトラックでは、いろんなロックバンドとヒップホップアーティストがコラボしていたけど、俺はもう少ししたらまたそういうフェーズも来るんちゃうかなと思っているんです。言い方が悪いけどロックがダサくなってしまって、ヒップホップがもっとリアルでビッグなものになっていってるのを見て、ちょっと負けてられないなって部分が出てくるんじゃないかな? と。実際、ヒップホップのほうがギラッとしている人が多い気がするし。

Hiro:アメリカやったら、今はロックスターにあたるような存在がヒップホップ界にはたくさんいるし。

Koie:エミネムも「ヒップホップを知らなかったら、俺はロックスターになっていた」って言ってるしね。最近だったらマシンガン・ケリーがそういう、ラップをしているけどスタイルはロックスターみたいな感じだし。

ーーそういう2曲がありつつ、3曲目の「Diavolos」では従来のヘヴィなスタイルでがっつり攻めています。

Koie:自分たちの持っている激しい部分に、『MADNESS』(2014年発売の1stシングル)以降の歌を重視した経験も生かされていて、ただ激しいだけじゃない。もちろんパンチがあって、初期衝動が抑えきれなくなるような曲なので、ライブの定番になっていくんじゃないかってぐらい、手応えがあります。

ーーこの曲では冒頭からTatsuyaさんが大活躍ですね。

Tatuya:そうですね(笑)。今回の3曲の中だと、一番1stアルバム(2009年発売の『The Artificial theory for the Dramatic Beauty』)の頃にあった初期衝動を大事にしたというか。それを色濃く出したので、今まであったCrossfaithの尖り方を残したまんまの曲になってますね。

Koie:シングル3曲の中で俺たちはこれを提示し続けなきゃあかんなっていうよりかは、ナチュラルなんですよね。ないと不安になるというか、俺ら自身が「やっぱりこういう曲が最強やんな」と思ってる部分があったりするので(笑)。

ーーきっと10年前にバンドを始めた頃だったら、「Freedom」や「Rockstar Steady」みたいな曲は生まれてないかもしれないし、「Diavolos」のような曲も単に激しいだけだったかもしれないけど、10年の積み重ねがあるからこそいろんな見せ方、聴かせ方ができたと。この3曲の中に10年間の軌跡がしっかり詰まっているんですね。

Koie:そうですね。通ってきた道は意図してなくてもにじみ出てくるというか。

「『バンド、めっちゃ面白そうやん』と思ってもらえることをしたい」(Hiro)

ーー10周年を経てここから先の10年、バンドとしてこういうことを実現させたいというビジョンはありますか?

Teru:世界中でヘッドライナーツアーをしたいとか、日本でやってる『ACROSS THE FUTURE』みたいな形でパッケージツアーを回りたいなというのはあるかな。

Tatsuya:10年前に結成したときに持っていた強い意志は今も変わらず大切にしたいし、10年を経たからこそよりCrossfaithというものを、音楽的にも、バンドとしても確固たる特別なものにしたいなと思いますね。

Kazuki:やっぱり憧れたロックスター像というものがあって、僕はそこにはまだ及んでない。そこに対する憧れがまだ強いので、そういう存在になれたらいいなと思うし、そのためにはこれからの活動が重要になるのかなと思ってます。

Koie:10年間やってきて気持ち良いもの、自分がアガれるものを作り続け、それをライブでプレイすることに俺はバンド活動をしていく中で一番気持ち良さを感じているので、それを突き詰めていくのが現時点での目標。もちろんフェスのトリをやりたいとか海外でヘッドライナーしたいとか、そういう細かな目標はあるけど、そこにたどり着くために自分たちが気持ち良いと思うことをし続けるのが一番大事だと思います。

Hiro:僕は昔好きだったバンドのドキュメンタリー映像やワールドツアーのDVDで、世界中を回っている姿を観て「バンドをするってこういうことやろ!」と思っていたから、それが自然やった。だから、今度は僕らのワールドツアーの様子を観てキッズに「バンド、めっちゃ面白そうやん」と安易に思ってもらえるようなことをしたいと思います。そして、10年後も夢の話をバンドを通してできる、夢のあるバンドでいたいですね。

(取材・文=西廣智一)

■リリース情報
『FREEDOM』
発売:8月2日(水)
価格:初回生産限定盤(Disc 2 -Remix音源3曲-付き)¥1,600(税込)
通常盤(CDのみ)¥1,300(税込)

<収録内容(Disc 1)>
M1. Freedom (ft. Rou Reynolds from ENTER SHIKARI)
M2. Rockstar Steady (ft. JESSE from The BONEZ/RIZE)
M3. Diavolos

<収録内容(Disc 2)>※初回生産限定盤のみ
M1.Revolution(The Bloody Beetroots Remix)
M2.Kill ‘Em All(Shikari Sound System Remix)
M3.Rx Overdrive(TeddyLoid Remix)

ライブ映像作品『-LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』
発売:8月2日(水)
価格:DVD ¥4,980(税込)
Blu-ray ¥5,980(税込)
※メンバー自身によるコメンタリー副音声収録

■購入者特典詳細
<シングル『FREEDOM』 購入者特典>※各チェーン店ごとに絵柄違いのポスター
・TOWER RECORDS(オンライン含む/一部店舗除く)
スペシャルポスター(TOWER ver.)
・TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)/TSUTAYAオンラインショッピング(予約分のみ)
スペシャルポスター(TSUTAYA RECORDS ver.)
・HMV全店(ローチケHMV含む/一部店舗除く)
スペシャルポスター(HMV ver.)
・Amazon.co.jp
ロゴステッカー(amazon ver.)
・その他応援店舗
ロゴステッカー(その他応援店舗 ver.)
※その他応援店舗の対象店舗はこちら

<シングル『FREEDOM』&『Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE』 同時購入者特典>
スペシャル写真集(TOWER RECORDS(オンライン含む/一部店舗除く)/TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)/TSUTAYAオンラインショッピング(予約分のみ単品ずつの購入は対象外、専用カートより申込)/HMV全店(ローチケHMV含む/一部店舗除く)/Amazon.co.jp,『FREEDOM』応援店舗)

※その他応援店舗はこちら(シングル『FREEDOM』応援店舗と同店舗)
※一部店舗では特典運用がない場合もあり。予約の際に対象店舗にて問い合わせ。
※オンラインショップは同時購入専用カートに注意。
※各店舗特典はなくなり次第終了。

■ライブスケジュール
『ROCK IN JAPAN FES. 2017』
8月6日(日)国立ひたち海浜公園

『SkyJamboree 2017 〜 one pray in nagasaki 〜』
8月20日(日)長崎市稲佐山公園野外ステージ

『TRIANGLE '17』
8月27日(日)福岡シーサイドももち海浜公園地行浜ビーチ内特設ステージ

『TREASURE05X 2017』
9月2日(土)蒲郡ラグーナビーチ

『OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL 2017』
9月10日(日)泉大津フェニックス

『10th ANNIVERSARY TOUR ONE MAN SHOWS ーFAITH LASTS FOREVERー』
10月27日(金)東京 Zepp Tokyo
11月5日(日)愛知 Zepp Nagoya
11月10日(金)宮城 仙台Rensa
11月12日(日)石川 金沢EIGHT HALL
11月17日(金)広島 広島CLUB QUATTRO
11月18日(土)福岡 福岡DRUM LOGOS
11月22日(水)青森 青森Quarter
11月24日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
11月29日(水)香川 高松OLIVE HALL
12月10日(日)大阪 Zepp Osaka Bayside
12月16日(土)沖縄 桜坂セントラル

■イベント情報
Crossfaith×Creepy Nuts×Survive Said The ProphetのTSUTAYA RECORDS購入者対象完全招待制スペシャルLIVE『ツタロックスペシャルLIVE』
日程:9月4日(月)代官山UNIT
開場:18:15 開演:19:00
詳細はこちら

『タワーレコード渋谷店B1F 「CUTUP STUDIO」爆音試聴会』
『FREEDOM』をタワーレコード渋谷店でご購入いただくと、下記会場でのスペシャルイベントに参加可能
日程:8月3日(木)19:00(集合 18:30 タワーレコード渋谷店1F階段前)
会場:東京都・タワーレコード渋谷店 B1F「CUTUP STUDIO」
対象店舗:タワーレコード渋谷店
イベント内容:Crossfaithメンバー全員との「FREEDOM」「-LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE」爆音試聴会 ※パフォーマンスはなし
詳細はこちら

『タワーレコード梅田 NU茶屋町店 購入者対象サイン会』
「FREEDOM」をタワーレコード梅田NU茶屋町店でご購入いただくと、下記会場でのサイン会に参加可能
日程:9月3日(日)17:00〜(集合 16:30)
会場:大阪府・タワーレコード梅田NU茶屋町店
対象店舗:タワーレコード梅田NU茶屋町店
イベント内容:メンバー全員によるサイン会 ※パフォーマンスはなし
詳細はこちら

■関連リンク
『FREEDOM』特設サイト
Crossfaithオフィシャルサイト
Crossfaith 10周年特設サイト
Crossfaith Twitter
Crossfaith Facebook
Crossfaith Instagram

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