銀杏BOYZ 峯田和伸の一挙手一投足から目が離せない 「BABY BABY」大合唱も起こった名演を見て

銀杏BOYZ、SLSレポ

 スペースシャワーTVが主催する野外ライブイベント『SWEET LOVE SHOWER 2017』が、今年は8月25~27日の3日間にわたって山梨・山中湖交流プラザ きららで開催中だ。リアルサウンドでは、同イベントのライブレポートを掲載。本稿では、2日目FOREST STAGEのトリを飾った銀杏BOYZのライブの模様をお届けする。


 2日目のFOREST STAGEを締めくくったのは銀杏BOYZだ。意外にも、『SWEET LOVE SHOWER』初出演。今年7月より3カ月連続でシングルをリリース、そして10月には初の日本武道館単独公演を控えるなど、いつになく精力的な活動が続いている。その今の銀杏BOYZを目撃するために多くの人がFOREST STAGEに詰めかけた。

 サポートメンバーと共に、上半身裸でステージにやってきた峯田和伸。大歓声に迎えられてはじまった1曲目は「若者たち」。5人編成による、メーターが振り切れたような、音の塊がそのままぶつかってくるようなアンサンブルが鳴り、峯田はステージの中央でマイクに噛み付くように絶叫する。曲の途中からはギターをおろしてハンドマイクで歌い、さらにステージを降りてオーディエンスに向かって身を乗り出す峯田。マイクに額を自ら何度も強打したりと、いつもにも増してその身体からエネルギーが満ち溢れている様子。続けて「駆け抜けて性春」へ。そのステージ上の抑えきれない熱量に、オーディエンスも全力で応える。これぞ銀杏BOYZと言いたくなるような、鮮烈な眩しさを放つ幕開けだ。


 フィールドの後ろまでぎっしりと集まった人々を見て「こんなにたくさんの人の前でやれて本当に幸せ者です」「こんな夏の終わりに山中湖なんて綺麗なとこまで来て銀杏BOYZ見る人なんて人生終わってる人たちですよ! 人生終わってる同士のポップさを出していきましょう」と峯田が語りかけると、次の曲は「恋は永遠」。9月27日に発売される3カ月連続シングルの最後を締めくくる楽曲。峯田の歌声にサポートメンバーらのコーラスが重なり、一度聞けば口ずさめそうなキャッチーかつ美しいメロディが響く。銀杏BOYZの魅力がたっぷりとつまった名曲だった。


 ストレートな8ビートに乗ってドライブしていく「夢で逢えたら」。7月にリリースした「エンジェルベイビー」。そして、初っ端から続く熱狂のピークとなったのは「BABY BABY」だろう。この曲は2005年にリリースしたアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』の収録曲。それから12年、いっさい色褪せることなく、峯田和伸が生み出した随一のロックソングとして圧倒的な支持を受け続けている。日が暮れたFOREST STAGEで、<BABY BABY 抱きしめてくれ かけがえのない愛しいひとよ>と会場一体となって歌った大合唱は、とても美しい光景として人々の心に焼きついたのではないだろうか。

 そしてラストナンバーは「ぽあだむ」。リズミカルなギターのカッティングとグルービーなドラムにあわせ、峯田もタンバリンを振りながら歌い、この日のライブは大団円を迎えた。ステージの上で鳴っている一つ一つの音と言葉、そして峯田和伸の一挙手一投足。そのすべてに釘付けになる圧巻のパフォーマンスだった。


(文=若田悠希/撮影=上山陽介)

■セットリスト
銀杏BOYZ
『SWEET LOVE SHOWER 2017』
2017年8月26(土)山梨・山中湖交流プラザ きらら

1. 若者たち
2. 駆け抜けて性春
3. 恋は永遠
4. 夢で逢えたら
5. エンジェルベイビー
6. BABY BABY
7. ぽあだむ

『SWEET LOVE SHOWER 2017』ライブレポート特集

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