LOVE PSYCHEDELICOは自らの音楽を更新し続けるーー新曲披露『How is your Love?』レポ

LOVE PSYCHEDELICO『How is your Love?』レポ

 LOVE PSYCHEDELICOが、4月17日に東京・EX THEATER ROPPONGIにて『How is your Love?』を開催した。これは、新作プレビューライブとして行われたもので、MCではおよそ4年ぶりのニューアルバム『LOVE YOUR LOVE』を7月5日にリリースすることも発表された。

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 前半は『LOVE YOUR LOVE』に収録される新曲を立て続けに演奏、後半ではライブの定番曲「No Reason」や、初期の名曲「Your Song」「LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜」らも惜しみなく披露した。サポートメンバーの深沼元昭(Gt)、高桑圭(Ba)、冨田政彦(Dr)、松本圭司(Key)、福長雅夫(Per)とともにステージに立ったKUMI(Vo)とNAOKI(Gt)。LOVE PSYCHEDELICOのライブはサポート・メンバーも固定ではなく、その時期によって異なる。そのため、この日のライブも、この7人にしか生み出せない骨太なバンド・アンサンブルで過去曲も新しくアレンジされ、今のLOVE PSYCHEDELICOのモードをありありと感じられる時間であった。

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 ライブは新曲「C'mon, it's my life」から幕を開けた。コンガの小気味好いカウントからスタートし、開放的なムードがフロア全体に広がる。KUMIの歌声は時代に流されないエバーグリーンな魅力があり、ライブで聴くとそのパワフルさとしなやかさにはあらためて驚かされる。続く「Feel my desire」は、今回初披露となる楽曲。豪勢な鍵盤のイントロが印象的で、バンド・アンサンブルもダイナミックに響く。

 妖艶なイントロから始まる「Might fall in love」は、KUMIの歌声に加え、NAOKI、深沼、高桑のフロント3人によるコーラスも楽曲に奥行きを与え、重心低めのボトムのがっしりしたサウンドで空気を一変させる。そして再び鍵盤の伴奏が軽やかに弾む「Love Is All Around」、カントリー調の「Birdie」、NAOKIがアコースティックギターに持ち替えたミドルナンバー「1 2 3」を披露した。

 新曲は、KUMIとNAOKIのルーツ・ミュージックへのリスペクトはもちろん、そのレンジの広さや独特のポップネスを備えることで、今の時代にしっかりと根付くLOVE PSYCHEDELICOの音楽の魅力を存分に感じられた。そして、ステージ上で目を奪われるのは、やはりNAOKIのギターワークだ。アコースティックギターからエレキギターまで、曲ごとに数本のギターを持ち替えるNAOKI。カッティングからリフ、ソロまで自在に繰り出し、鋭さや甘さ、渋みも感じられるワイルドなプレイを見せる。ギター1本で、ここまで饒舌な演奏を聴かせ、オーディエンスの気持ちを昂ぶらせることのできるギタリストはそれほどいないだろう。

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KUMI
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NAOKI

 そのNAOKIのプレイに火をつけられたように、バンド・アンサンブルも徐々に熱を帯びていく。前述の新曲6曲を披露すると、次は過去の楽曲を、今のモードでもって再構築していくゾーンへ。「No Reason」ではKUMIもエレキギターを持ち、NAOKIと深沼が向き合ってギターを弾き合うなどトリプルギターならではの音の厚みが際立っていた。オリエンタルな音階が新鮮な「It's Ok, I'm Alright」に続き、ハンドクラップも起きた「Abbot Kinney」ではバンドメンバーの紹介も行われ、それぞれのソロを回し、オーディエンスからは大歓声があがった。

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