フォーリミ主催『YON FES』が浮き彫りにした、ロックシーンの今
04 Limited Sazabysが4月1・2日に『YON FES 2017』を開催。主に2日目の模様から、昨年の初開催から1年後に、彼らの地元・名古屋で引き続き開催された同イベントの魅力を分析する。
昨年の同フェスは、04 Limited Sazabysと同世代のバンドや後輩バンドが集結し、04 Limited Sazabysを筆頭とした邦楽ロックシーンの勢いを象徴したものであった。しかし今年は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONや東京スカパラダイスオーケストラ、NAMBA69など、彼らにとって先輩にあたるバンドも出演アーティストに名を連ねた。また、Crossfaithやcoldrainといったラウドロックを鳴らすバンドなどがブッキングされ、昨年に比べ音楽のジャンル、そして世代の幅を大きく広げたものとなっていた。
今回の同フェスで目立っていたのは、多くのバンドが自らのステージに04 Limited Sazabysを迎え入れていたこと。前回も、04 Limited Sazabysが他アーティストのステージに上がることがあったが、そのライブを盛り上げようと自ら登場するような場面が多かったように思う。
2日目、キュウソネコカミのステージでは、「KMTR645 feat. ネコカミノカマタリ」の演奏中にメンバーが「フォーリミ! フォーリミ!」とコールを巻き起こし、曲の終盤に04 Limited Sazabysがステージに登場。両手で“Q”の字を作るダンスを会場にいる全員で踊って楽しんでいた。ヤマサキセイヤ(Vo/Gt)は「フォーリミ出てくれたね! みんなが呼んでくれたんだよありがとう!」と話し、「僕はサビが高すぎて出ないので、泳ぎます」と言って、04 Limited Sazabysの「swim」を披露。他にも04 Limited Sazabysの曲をカバーしたバンドは多く、Crossfaithは「monolith」を演奏し、GEN(Vo/Ba)がワンコーラスを歌い上げた。WANIMAも同曲を演奏し、GENとKENTA(Vo/Ba)がコラボしてフル演奏で披露した。
また、GENは、東京スカパラダイスオーケストラのライブをステージ傍で見ていたところを呼び寄せられ「本当にかっこいい先輩バンドマンです」と伝えた。すると、谷中敦(Sax)から「一緒に1曲踊ってってよ。袖にいるアーティストもみんな出てきてよ」と誘い、最後に演奏した「All Good Ska is One」でステージ上にたくさんの出演者が踊りはしゃぐ様子があった。このフェスに訪れたファンと同じように、どのバンドも、04 Limited Sazabysへの愛が溢れたステージを見せていた。