SMAP解散報道がファンや後輩ジャニーズに与えた衝撃 社会学者の太田省一氏に聞く
8月14日未明、ジャニーズ事務所が報道各社に対し「SMAPが2016年12月31日をもって解散する」と発表した。
同グループは長きに渡ってグループを支えた前任マネージャーの退社を受け、1月にグループ内で分裂騒動が勃発その動向に注目が集まっていたが、あまりに突然の発表であったため、呆然としたファンも多かったはずだ。
この一連の騒動について、『中居正広という生き方』の著者であり、リアルサウンドで『ジャニーズとテレビ史』を連載に持つ社会学者の太田省一氏はこう語る。
「これは発表翌日の『シューイチ』(日本テレビ系)で中丸雄一さんも言っていたことですが、彼らは『男性アイドルの歴史を変えたグループ』であり、光GENJIのあと、歌番組が次々に終了していく時代に登場しバラエティに進出、平均年齢が40歳を超えてもグループを持続させ続けるという前例のない道を歩んできました。そんな彼らが今回のような事態になったとき、前例のない状態で決断を下すのは、想像するに決して容易なことではなかったでしょう。1月の時点ではファンや世論からの『解散しないで』という声を受けて存続を選んだと思いますが、改めてどのように活動していくかという壁にぶつかったとき、メンバー個々に考えることがあったのかもしれません。このまま続けるという選択肢も当然あったと思うのですが、もし本人たちが考えた末に決めたことであれば、その考えを尊重したいです」
続けて同氏は、一連の報道に関する違和感について指摘した。
「とはいえ、一連の流れにおいて本人たちの気持ちが伝わる肉声がないままここに至ってしまったことに関しては、ファンの方も私自身も、世間のSMAPに慣れ親しんできた人たちに取っても釈然としないものがあると思います。この20数年、日本のテレビエンターテインメントの中心にいたのは間違いなくSMAPであり、それは彼らの活動が必ずしも順調ではなかったときもそうでした。森且行さんの脱退も、草なぎ剛さんや稲垣吾朗さんが活動を自粛したあとの対応、1月の分裂騒動に関する意思表示も、すべて『SMAP×SMAP』を通して、私たちに彼らの生の表情や声が伝わるかたちでした。そうして画面に映る彼らの姿から何らかの意味やメッセージを私たちは感じ取ってきたのです。だからこそ、どのような結論になろうとも、各自のこれまでの思いや解散までの4カ月間にグループはどのようなかたちになっていくのか、しっかりとテレビという媒体を通して本人たちの言葉で説明してくれるまでは、納得できない人も多いと思います」